主要企業の2019年9月中間決算 - 三菱瓦斯化学

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三菱瓦斯化学が47%出資し、これまで多額の持分法損益を計上してきた日本・サウジアラビアメタノール(JSMC)は2018年11月29日に合弁契約の期限が到来した。

1977年11月に投資会社の日本・サウジアラビアメタノール㈱(JSMC) を設立した。
三菱ガス化学が47%、海外経済協力基金が30%、三井東圧・住友化学・協和ガス化学が各5%、日本化成・新日鐵化学・東邦理化が各1%、それに伊藤忠が5%出資した。

契約延長交渉でまず25%分をSABICに売却し、2019年3月末まで4カ月の延長を行った。

それ以降については2つの案を提示されたが、2019年3月に 1,350百万ドルをSABICに支払い、25%の持ち分比率での延長を決めた。

JSMC SABIC  
従来 50% 50%  
2018/11/29 25% 75% SABICは 150百万ドルをJSMCに支払い
2019/3/末      
 Case 1 契約延長 25% 75% JSMCは 1,350百万ドルをSABICに支払い
新設備の検討
 Case 2 契約延長せず 0% 100% SABICは 150百万ドルをJSMCに支払い

2019年3月22日、Case 1 の20年延長を決定。 1,350百万円は3年分割払い(費用としては20年分割算入)

2018/12/7 三菱瓦斯化学、Saudi Methanol でSABICと合意、最終的には2019年3月末に決定

この結果、2018年11月29日以降は、持ち分比率が従来の50%から25%に減少し、持分法損益は半減する。

三菱瓦斯化学の連結決算での本件の投資損益は、2008~2017年度平均で約120億円(日本側全体ではその倍)となっていた。

今回、株式売却関連費用(追加税金を含む)や契約延長対価の計上など、179億円の営業外損失を持分法損益に計上した。
契約手続きが完了した2019年度1Qに、201812月以降の持分比率の減少、延長対価の償却を計上)

メタノール等の市況も大きく下落しており、大幅な減益となった。

                         単位:億円(配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 株主帰属
損益

配当

中間 期末
17/3 5,565 438 211 624 480 8.0 11.0
18/3 6,359 627 183 807 605 12.0 17.5
19/3 6,490 414 284 692 550 17.5 17.5
20/3予 6,100 310 -15 270 180 17.5 17.5
増減 -390 -104 -299 -422 -370
18/9中 3,284 290 173 465 379
19/9中 3,034 160 -39 117 81
増減 -250 -129 -211 -348 -298


経常損益

17/3 18/3 19/3 20/3予 増減 18/9 19/9 増減 増減内訳
営業内 営業外
天然ガス系 143 149 227 -47 -274 157 -64 -221 数量差 +26
価格要因 -134
固定費 -22
持分法 -211
(メタノール -179
芳香族 175 251 140 127 -13 98 74 -24
機能化学品 268 386 282 175 -107 179 94 -85
特殊機能材 62 63 45 38 -7 30 23 -7
その他全社 -24 -43 -1 -23 -22 2 -10 -12
合計 624 807 692 270 -422 465 117 -348 -129 -219


メタノール市況:
2018/上期 408ドル/t → 2019/上期 277ドル/t → 2019/下期予 270ドル/t

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