中国の国務院関税税則委員会は12月23日、来年1月1日から食品やハイテク製品の部品など859品目の輸入品 について、WTO加盟国に対する最恵国税率(MFN税率)より低い輸入暫定税率を適用すると発表した。
そのほか、WTO加盟議定書の情報技術協定に基づき、2020年7月1日から情報技術製品176品目について、第5段階の引き下げを実施する。
中国の経済開放をアピールするとともに、内需を刺激する。
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昨年も同様の措置を行った。
中国財政部は2018年12月24日、2019年の輸出入の関税調整計画を発表した。2019年1月1日より、自動車生産ライン向け産業ロボットなど706品目で現行の最恵国税率よりも低い暫定税率が適用される。
2019年7月からは電子・IT製品に対する通算4回目の減税も実施する。医療診断装置やスピーカー、プリンターなど幅広く、298品目が対象となる。2018/12/26 中国、来年1月から一部品目で関税引き下げ
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今回の859品目のうち、ぜんそく治療用のアルカロイド類医薬品、新型糖尿病治療薬を生産する原料などについて、投薬コストを引き下げ、新薬の生産を促進するために、ゼロ関税を実施する。
また、国内で比較的供給が不足している財の消費を増やすため、食品について新たに暫定税率を設けた。
アフリカ豚コレラの流行により供給不足が指摘されている冷凍豚肉の関税率は12%から8%に引き下げられる。
冷凍アボガド、非冷凍のオレンジジュースなどの商品に対する輸入暫定税率を新たに引き下げる。
さらに、先進技術・設備・部品の輸入を拡大し、ハイテク技術産業の発展をサポートするためとして、自動車のオートマチックトランスミッションに用いるトルクコンバーターやアルミニウム製バルブコア、集積回路(IC)ストレージやフォトレジスト用分散液などの半導体関連製品についても、新たに関税率が引き下げられる。
現地の報道では、ハイテク製品については、一部の国がコアとなる部品・技術・原材料の供給を断つことで中国企業に圧迫を加えているとし、同分野の輸入を拡大することでボトルネックを解消する必要があること、また、一部の国が中国のハイテク製品に対し関税を引き上げているため関連企業が大きな圧力に直面しており、部品や原材料の関税率引き下げによって、こうした企業のランニングコストを削減できるとしている。
一方で、中国が輸入規制を強化している固体廃棄物のうち、タングステンとニオブの2種のくずに対しては輸入暫定税率が取り消され、より高いMFN税率が再び適用される。
1月1日からの859品目の関税は: http://gss.mof.gov.cn/gzdt/zhengcefabu/201912/P020191220564315355326.pdf
2020年7月1日からは、ICや医療用診断装置など情報技術製品176品目に対する最恵国税率について5回目の引き下げを実施すると同時に、7つの情報技術製品の輸入暫定税率を廃止する。
7月1日からの情報技術製品の関税は:http://gss.mof.gov.cn/gzdt/zhengcefabu/201912/P020191220564315742803.pdf
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