OPECは12月6日、ウィーンの本部でロシアなどOPEC非加盟の産油国も参加する閣僚級会合を開き、原油の減産規模を日量50万バレル拡大させることで合意した。
2019年1月から実施している日量120万バレルの協調減産の規模を50万バレル拡大し、170万バレルとする。年明け1月以降、3月まで実施する。
2020年3月末までとしている減産期間の延長は盛り込まず、延長の是非を3月上旬に協議することとした。サウジのエネルギー相は「この協力体制は続いていく。今後は状況を確認しながら、追加の対策が必要かどうかを確認する必要がある」と述べた。
OPECプラスの決定は最近の生産水準を追認する規模でしかなかったが、その後の記者会見で、サウジは独自で更に日量40万バレルの減産を自発的に行うと表明した。自発的な追加減産は他のOPEC加盟国がそれぞれの生産目標を完全に履行することが条件になるとくぎを刺した。
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OPECとロシアなどの非加盟の主要産油国は2016年12月10日、ウィーンのOPEC本部で閣僚会合を開き、協調減産で合意した。
OPECは11月30日に国別としては8年ぶりの減産で合意した。日量1,164千バレルの減産とし、2017年1月以降の生産枠を32,684千バレルとしたが、非加盟国の参加を減産実施の条件としていた。
参加したのは、ロシア、メキシコなど、合計11国で、ロシアが日量300千バレル、メキシコが100千バレルなど、合計558千バレルの減産を約束した。これにより、OPECと合わせて1,722千バレルの減産となる。
2016/12/12 OPEC と非加盟国、原油の協調減産で合意
2018年10月の生産量をベースに、OPECは日量80万バレル(2.5%相当)、非OPEC諸国は40万バレル(2.0%相当)を減産する。
2018/12/8 OPEC-Plus、減産を発表
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2017年1月から始まった協調減産は長期化しているものの、価格上昇につながっておらず、参加国からは不満の声が出ている。
サウジアラビアは同日、OPEC加盟国と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」会合で合意した50万バレルの減産に加え、さらに40万バレルを自発的に減産すると明らかにした。
サウジアラビアは、国営石油会社Saudi Aramcoの新規株式公開(IPO)を控えており、原油価格を下支えすることで同社の株価低迷を避ける思惑もあると見られる。
2018年10月の生産量をベースとする減産量は下記の通りとなる。
2019/1~ | 2020/1~ | サウジ自主 | 合計 | |
OPEC | 80万バレル | 37万バレル | 40万バレル | 157万バレル |
非OPEC | 40万バレル | 13万バレル | 53万バレル | |
計 | 120万バレる | 50万バレル | 40万バレル | 210万バレル |
新聞情報による国別減産量は下記の通り。
OPEC加盟国
加盟 脱退 減産(千バレル)
2019 2020
イラク 中東 1960 141 50 イラン 中東 1960 0 0 クウェート 中東 1960 85 55 サウジアラビア 中東 1960 322 167 400 ベネズエラ 南米 1960 0 0 カタール 中東 1961 2019 インドネシア アジア 1962 2016 リビア アフリカ 1962 0 0 UAE 中東 1967 96 60 アルジェリア アフリカ 1969 32 12 ナイジェリア アフリカ 1971 53 21 エクアドル 南米 1973 2020 16 ー ガボン アフリカ 1975 6 2 アンゴラ アフリカ 2007 47 0 赤道ギニア アフリカ 2017 4 1 コンゴ アフリカ 2018 10 4 加盟国 16か国 13か国
812 372 400
Non-OPEC
減産(千バレル) 2019 2020 Russia 旧ソ連 230 70 Azerbaijan 旧ソ連 20 7 Kazakhstan 旧ソ連 40 17 Bahrain 中東 5 2 Oman 中東 25 9 Brunei アジア 3 1 Malaysia アジア 15 5 Mexico 北米 40 18 South Sudan アフリカ 3 1 Sudan アフリカ 2 1 合計 10か国 383 131
当初は11カ国であったが、赤道ギニアが2017年5月25日の総会で、OPEC即時加盟の承認を得た。
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