メルケル政権ピンチ、連立与党党首に連立懐疑派が当選

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メルケル独首相の大連立政権を支える国政第2党、ドイツ社会民主党(SPD)の155年の歴史上初の女性党首Andrea Nahles党首が2019年6月2日、党首を辞任する考えを示した。

SPDは欧州議会選で歴史的な大敗を喫した。欧州議会選で過去最低の15.8%の得票にとどまり、緑の党に抜かれて第3党に転落していた。

2019/6/4 ドイツ 社会民主党党首が辞任へ 

ドイツ社会民主党(SPD)は11月30日、次の党首を決める決選投票で連立懐疑派のNorbert Walter-Borjans(州の元財務相)とSaskia Esken下院議員のペアが53.1%の得票で勝利したと発表した。

連立維持派とのOlaf Scholz財務相とSaskia Esken 地方議員のペアは45.3%にとどまった。

SPDは12月6日からの党大会で、勝利した2人を正式に共同党首に選出し、連立政権にとどまるかどうかも議論する。

共同党首は現在のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立協定を見直し、気候変動対策やインフラなどへの大胆な投資や最低賃金の引き上げなどの政策を実現できるのであれば、政権にとどまる意向とみられているが、CDU・CSU内では年金制度改革などでこれまでもSPDに十分配慮してきたとの意見が強く、連立協定の見直しにはCDUのKramp-Karrenbauer 党首らが否定的な考えを示している。

仮にSPDが政権を離脱すれば、メルケル政権は少数与党内閣となるか、2021年秋に予定されている連邦議会選挙を前倒しするかなどの選択を迫られる。

下院の勢力図は下記の通り 。(2017/9/24 選挙結果)

キリスト教民主同盟 (CDU) キリスト教
民主・社会同盟
(CDU/CSU)
246 連立与党

399

キリスト教社会同盟 (CSU)
ドイツ社会民主党(SPD) 153
緑の党 67 310
自由民主党(FDP) 80
ドイツのための選択肢(AID) 92
左派党 69
無所属 2
合計 709


元々、SPDはメルケル政権の第一次で連立、第二次では離脱、第三次で再度連立、第四次では離脱を表明したが、与党の緑の党や自由民主党との連立が成立せず、長時間の交渉の結果、合意に達したもので、メルケル首相が率いるCDU・CSUが4カ月間の政治空白の解消に向けて大幅に譲歩した。

SPDの46万4千人のすべての党員による投票で、賛成が66.02%、反対は33.98%だった。

  第一次
2005/11
第二次
2009/10
第三次
2013/12
2017/9/24 選挙
キリスト教民主同盟 (CDU) キリスト教
民主・社会同盟
(CDU/CSU)
連立 連立 連立 246 連立協議 → 連立
キリスト教社会同盟 (CSU)
ドイツ社会民主党(SPD) 連立   連立 153 離脱表明 →
緑の党       67 連立協議  
自由民主党(FDP)   連立 議席 0 80 連立協議→離脱  
ドイツのための選択肢(AID)     議席 0 92  
左派党       69  
無所属       2  
合計       709  

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2018年10月28日にヘッセン(Hesse) 州で実施された州議会選挙で、メルケル首相率いる与党 キリスト教民主同盟(CDU)が得票率を大きく落とした。

第1党の座は確保するが、前回2013年よりも11ポイント強低い27.4 %と52年ぶりの低水準に落ち込んだ。

国政でCDUと大連立政権を組むドイツ社会民主党(SPD)も11.1ポイント低い19.6%と、歴史的な大敗になった。

州議会で連立を組む「緑の党」が頑張り、議席数では合計でなんとか過半数を超えた。

逆に、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が大躍進し、初議席(17議席)を確保した。

メルケル首相は10月29日記者会見し、州議会選で連敗した責任をとり、保守系与党のキリスト教民主同盟(CDU)の党首を退任する考えを表明した。

12月の党大会で「党首に再び立候補せず、2021年の任期切れまでは首相にとどまり、その後 政界を引退する意向を示した。

CDUは12月7日、メルケル首相に代わる党首として、側近の女性幹事長 Annegret Kramp-Karrenbauer を選出した。

メルケル首相のかつての政敵で連邦議会(下院)元院内総務のFriedrich Merzとの決選投票で勝利した。但し、517 対 482 の僅差であった。

2018/10/30 メルケル与党、独ヘッセン州でも敗北、メルケル氏 党首を退任

付記 

CDUのKramp-Karrenbauer 党首は2020年2月10日、次期首相候補となることを断念し、党首も近く辞任する意向を固めた。メルケル首相の後任選びは白紙に戻る。

チューリンゲン州選挙で極右の「ドイツのための選択肢」の後押しを受けた自由民主党のケミリヒ氏が当選し、首相に就任したが、同氏を支持したCDUも強い批判を受けた。
ケミリヒ首相は1日で辞任に追い込まれた。

党首は、これを含め、政治的失言や相次ぐ選挙敗北で求心力を失い、メルケル首相も辞任を支持した。

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