米、中国の「為替操作国」解除

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米財務省は1月13日公表の半期為替報告書で、中国の「為替操作国」への指定を5カ月ぶりに解除した。

https://home.treasury.gov/system/files/136/20200113-Jan-2020-FX-Report-FINAL.pdf

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2019年8月5日、人民元相場が対ドルで1ドル=7元台に下落した。中国人民銀行は6日、基準値を1ドル=6.9683元に設定したと発表した。基準値としては2008年5月以来、約11年ぶりの元安水準となる。
制裁関税の影響を緩和するために中国政府が人民元安を容認しているとの見方が広がった。


これを受け、米財務省は8月5日、中国を「為替操作国」に指定したと発表した。

2019/8/6 米、中国を為替操作国に指定

米財務省は4月と10月に連邦議会に半期為替報告書を提出するのが通例だが、2019年10月の公表を見送って中国側の出方を見定めていた。

米国と中国は2019年12月に貿易交渉の「第1段階の合意」で合意し、1月15日に調印を行う。これには人民元政策を透明にする為替条項を盛り込む。

White Houseは"Historic Phase One Trade Agreement"で合意したと誇った。

中国は、知財、技術移転、農業、金融サービス、通貨、為替レートの分野での構造改革に同意した。
効果的な実施のための強力な紛争解決制度を含んでいる。

USTRはFact Sheet を発表したが、通貨については「通貨切り下げや為替レートの目標設定をやめる。透明性、説明メカニズムを推進」としている。

2019/12/16 米中貿易協議、第1段階で合意 

1月13日の上海外国為替市場では、米中貿易協議における第1段階の合意署名を控え、1ドル=6.89元まで上昇、2019年7月末以来5カ月半ぶりの高値をつけた。


米政権は中国の通貨安誘導の懸念が和らいだと判断し、 「為替操作国」への指定を5カ月ぶりに解除した。

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米財務省は為替操作国に指定する条件として(1)対米貿易黒字の規模(2)経常黒字の規模(3)継続的な通貨売り介入――を掲げている。

従来の基準 2019/5より改正
①重大な対米貿易黒字 対米貿易黒字が200億ドル(米国GDPの約0.1%) 以上 同左
②実質的な経常黒字 経常黒字がその国のGDPの3.0%以上 GDPの2.0%以上
③外為市場に対する介入 GDPの2%以上(ネットで)の額の外貨を繰り返し購入
(12カ月のうち、8カ月
同左
(12カ月のうち、6カ月


財務省は2016年4月の報告で、3つの基準全てに当て嵌まる国はないことを確認したが、3つの基準のうち2つに該当する国を「監視リスト」に載せ、監視していくこととした。

2016/5/2 米、日本や中国などを為替操作「監視リスト」に

これまでと今回のリストは下記の通り。

  日本 中国 韓国 台湾 ドイツ スイス インド アイルランド ベトナム イタリア マレーシア シンガポール
2016/4
2016/10
2017/4
2017/10
2018/4
2018/10
2019/5
 

①②



①②



①②

①②

①②

①②

②③
2019/8 操作国
2020/1
①②


①②

①②

①②




①②

①②

②③


中国は、2016/10以降は①の1つしか基準を超えていないが、対米貿易黒字が膨大なため、次回の報告書でも自動的に指定される。今回も同様である。

台湾は2017/4に1つしか基準を超えず、その後、外れた。

韓国は2019/5に①が基準から外れたが、引き続きリストに残った。今回①②でリストに残った。

アイルランドとベトナムは前回の2項目から1項目に減った。これが続けばリストから外れる。


今回の報告のまとめ。

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