米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)実施法案可決

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北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)実施法案が米上院で可決され、ホワイトハウスに送付された。


米議会下院は12月19日、法案を可決し、上院へ送付した。

共和党 民主党 無所属 合計
賛成 192 193 385
反対 2 38 1 41
棄権 3 2 5
合計 197 233 1 431


2019/12/13 米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の内容を一部修正、米議会で協定承認へ


上院では大統領の弾劾裁判が始まるが、これは他の上院の課題より優先されねばならない。このため、上院ではそれまでの可決を目指し、日程を繰り上げて討議された。

民主党側は下院での可決後、2019年内の採決を求める書簡を出したが、この時点では、上院で多数派を握る共和党上層部は弾劾裁判が終了するまでUSMCA実施法案を扱わないことを明言していた。

関連する7つの委員会で審議され、まず財政委員会、予算委員会、環境・公共事業委員会で可決、歳出委員会、保険・教育・労働・年金委員会(HELP Committee)、商業委員会、外交委員会で1月15日に可決された。

1月16日に上院本会議で89対10の賛成多数で可決された。

  共和党 民主党 民主系
無所属
合計
賛成 51 37 1 89
反対 1 8 1 10
棄権 1 1
合計 53 45 2 100

共和党の反対はToomey議員で、サンセット条項(加盟国全ての合意がない限り協定発効後16年目に失効する規定)に対する反対に加え、大統領貿易促進権限(TPA)法に違反することを問題視している。

TPA法は大統領に通商一括交渉権を付与する。

TPA法では、大統領は最終的な協定文書を議会に提出してから実施法案を提出するまでに30日以上の期間を設けなければならないとの規定がある。
USMCAについては、最終的に民主党主導の修正交渉の結果が反映されたテキストが2019年12月13日に公開され、同日に実施法案が下院に提出された。

トランプ大統領は直ちに署名するとみられる。

付記 トランプ米大統領は1月29日、実施法案に署名した。

しかし、USMCAの発効には時間がかかると見られる。

メキシコはすでに法案を通しているが、米国による修正分の承認が必要である。
カナダは1月終わりに始まる下院で議決する予定

付記

カナダ議会は3月13日、USMCAの実施法案を承認した。カナダ総督による手続きなどを経て成立する。
米国、メキシコは既に承認済み。3カ国全てが批准の通知を終えた後、原則3カ月で発効する。


付記

米通商代表部(USTR)は4月24日、NAFTAに代わる新協定「USMCA」が7月1日に発効すると発表した。
新型コロナウイルスの影響もあり、自動車メーカーや議会から発効延期を求める声もあったが、11月の大統領選に向けて公約を実現したい政権側が押し切った。

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