中国国務院関税委員会は2月18日、トランプ政権と合意した米国製品の輸入拡大に向けて追加関税を1年間免除すると発表した。
米中貿易協議の「第1段階合意」が2月14日に発効した。
中国は12月13日発表当時は、追加&新規の約750億ドルの5078の税目のうち、9月1日に追加課税した1717品目は据え置き、12月5日課税予定の3361品目については実施見送りとしていたが、2020年2月18日に1717品目について追加税率を半減することを発表した。
今回、追加課税している品目のうち、696品目について1年免除する。
12/13発表 2020/2/14 2/18発表 1100億ドル分 据置
自動車・部品は停止696品目 1年免除
申請受付追加&新規
5%&10%1717品目 据置 5%→2.5%
10%→5%3361品目 実施見送り
牛肉や豚肉、大豆や小麦、LNGなど696品目を対象に3月から企業の免除申請を受け付ける。
食品では大豆のほか、小麦やコーリャン、とうもろこしなどが並んだ。アフリカ豚熱のまん延で価格が高騰する豚肉や牛肉、羊肉も含まれる。
エネルギーではLNGや原油、ジェット燃料などを盛り込んだ。
新型肺炎の診断にも活用されるコンピューター断層撮影装置(CT)や、輸血や麻酔の設備など多くの医療機器が含まれた。
中国は農産品や工業製品などの輸入を2年間で2000億ドル相当増やすことを約束している。
輸入拡大規模の内訳は下記の通り(億ドル)。
2020 2021 合計 工業品 329 448 777 農畜産品 125 195 320 LNGなど 185 339 524 サービス 128 251 379 合計 767 1,233 2,000 2017年の米国の中国向け財・サービスの輸出は合計 1,863億ドル(輸入は 5,235億ドル)
2020/1/17 米中「第一段階貿易合意」に署名
習主席は2月7日の電話協議でトランプ米大統領に「計画通り実行する」と伝えたが、当面の輸入拡大が難しいことも認めた。
新型コロナウイルスの感染拡大が中国経済に打撃を与える中、適用除外により「第1段階」で合意した米製品の輸入を促す。
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対象商品を輸入したい企業は3月2日から国務院に輸入金額を申請し、認可されれば金額の範囲内で追加関税が免除される。 通常の関税は残る。
免除期間は認可から1年間。
関税免除枠は月ごとに割り振られ、ある月の実績が計画に届かなくても未達分の免除枠は持ち越せない。計画を上回る超過分には追加関税がかかる。
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国務院関税税則委員会は2月21日、国務院の承認を経て、第2陣対米追加関税賦課製品の第1次適用除外リストを発表した。木材や航空機の自動操縦関連部品、油圧モーターなど米国産品計65品目。
国務院関税税則委員会は2019年9月11日に対米追加関税対象商品の除外リスト第1弾、16品目を発表した。
2019/9/16 中国、対米追加関税除外を拡大
今回、リスト1に記載された製品に対し、2020年2月28日から1年間、米通商法301条への対抗措置の適用対象から除外する。既に徴収した関税は返還される。
リスト2に記載された製品に対し、同様に適用対象から除外するが、既に追加徴収した関税は返還しない。
国務院関税税則委員会は、今後も対米追加関税製品の適用除外作業を継続し、後続の適用除外リストを適時発表していく。
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