英国、EU離脱後の移民制度を発表

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英内務省は2月18日、Brexit後の新たな移民制度を発表した。移行期間終了後の2021年1月1日に施行される 。

技能などに基づくポイント制になっており、雇用主に対し、欧州からの「安価な労働力」への依存から離れ、スタッフの維持やオートメーション技術の開発に投資するよう促すものとなっている。

また、EU市民と非EU市民を平等に扱うとしている。

英政府は新政策を盛り込んだ法案を3月に議会に提出する。

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EU加盟国間では人が自由に移動できるため、東欧からの移民が英国に殺到、雇用が失われるというのがBrexitの理由の一つであった。

現在英国に居住するEU加盟国市民は約360万人で、東欧諸国などの出身者が農業や食品加工業、建設や医療・保健福祉の現場などで低賃金労働に従事している。

ジョンソン首相率いる与党・保守党は2019年11月24日、12月12日投開票の総選挙に向けたマニフェストを公表した。

そのなかで、離脱後のEUとの人の移動については、「英・EU間の人の移動の自由は終了。豪州スタイルのポイント制の移民制度を導入する」とした。 

豪州のポイント制は下記の通り。 http://iminseisaku.org/top/pdf/journal/004/004_014.pdf

「自己評価票」で合計65点を超えることが求められ、高位得点者より,時々の計画定員まで入国を許可する仕組みをとっている。

項目

① 年齢と英語力 、② 移民前の実務経験 、③ オーストラリアでの実務経験、④ オーストラリアで得た教育・技能資格等 、⑤ プロフェッショナルイヤー 、⑥ 申請者の学歴、⑦ 申請者のオーストラリア留学経験、⑧ 指定言語による資格・教育(出身国)、⑨ 非都市地域でのオーストラリア留学・実務経験 、⑩ 申請者のパートナー技能年齢・教育・資格 、⑪ スポンサーの有無(企業・家族・州・準州など)

2019/11/29 英国与野党の選挙マニフェスト 

エリザベス女王は2019年12月19日にジョンソン政権の施政方針を読み上げたが、移民については「ポイント制を導入し、英国に寄与する熟練労働者を優遇する」としている。

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新移民システムでは、 移民がイギリス国内で就労するには、下記の項目で合計で70ポイントに到達する必要がある。

政府は、未熟練労働者が国内で働くための手段については提示していない。「雇用主は英国の移民システムへの依存をやめ、その代わりにスタッフの維持や生産性に投資し、技術やオートメーションに幅広い投資を行うことが重要だ」 とする。

報道では、今回のポイント制を2004年のEUの東欧拡大以降に入国したEU加盟国からの労働者に当てはめると、その70%が就労許可が得られなくなるとの政権側の推計があるという。

政府は、国内に今後も留まり続けるために申請をしているEU市民320万人が労働市場の需要を満たす助けになるかもしれないとしている。

農業分野における季節労働者(最大6カ月間の滞在を認める)を現行の2,500人から4倍にあたる1万人に増やす計画や、年間2万人の若者の入国を認める「若者の移動に関する取り決め」についても提示した。

ポイント制は次の通り。

条件

ポイント

必須条件 承認されたスポンサーからの仕事オファー 20 50

適切な技能レベルの仕事 (未熟練労働者を除外) 20
要求水準に見合った英語能力 10
給与 25,600ポンド以上 20 20

基本の条件

23,040~25,599ポンド 10 A

AとBの
組み合わせで
20ポイントになれば合格

20,480~23,039ポンド 0
追加 人手不足の職業での仕事 20 B
仕事と関連性のある分野の博士号 10
関連性のあるSTEM教育 (科学・技術・工学・数学分野)の博士号 20


移民諮問委員会(MAC)
の提言に基づき、技能労働者の移民に求める最低年収額を3万ポンドから25,600ポンドに引き下げる。

必須条件を満たし(50ポイント)、給与が25,600ポンド(20ポイント)であれば、合計70ポイントとなる。

必須条件を満たしても(50ポイント)、給与が22,000ポンド(0ポイント)の場合、関連性のあるSTEM教育で博士号を持てば(20ポイント)、合計70ポイントとなる。

給与が20,480ポンド以上であれば、人手不足の仕事であれば20ポイントが加わり、合計70ポイントとなる。

移民諮問委員会(MAC)が「人手不足」職業リストを決める。現行リストには、土木技師や開業医、看護師、心理学者、クラシックバレエのダンサーなどが含まれる。仕事と関連性のある分野の博士号 を持つ者も対象となる。

移民対象となる熟練を要する仕事リストから給仕人が除外され、新たに大工、左官、保育士がリストに加わる。

新システムでは、イギリスに入国できる熟練労働者数の上限はなくなる。

なお、より高い技能を持つ労働者については、内定なしでもビザ発給できるルートを設ける見通し。特にSTEM教育(科学・技術・工学・数学分野)の技能に対して門戸を広げるとしている。

EU出身かどうかを問わず、平等に扱う。





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