千代田化工建設は2月12日、豪州 HAZER GROUP と、Hazer 社が開発したメタンから水素およびグラファイトを高効率で生産するHAZER® Processの日本における商業展開について覚書を締結したと発表した。
両社はHAZER® Processを活用し、日本国内における 未利用バイオマスや他のメタン資源などから水素とグラファイトを生産する設備の開発、および 水素社会構築の一環としての地産地消型水素サプライチェーンのビジネスモデルの構築に取り組む。
HAZER® Processは、天然ガスおよび類似のメタン原料に鉄鉱石触媒を利用して水素およびグラファイトに効率的に転換するプロセスで、2007年に西オーストラリア大学の研究室から始まり、Hazer Groupで独自に研究開発が進められた。
プロセス内での二酸化炭素の排出はなく 、炭素をグラファイトの原料として活用することで、 二酸化炭素排出を削減すると同時に水素生産を実現する画期的なプロセスである。
グラファイト(黒鉛)はリチウムイオン二次電池用負極材として使われている。炭素系電極材料には、黒鉛系とコークス系があるが、黒鉛系は、高容量が特徴。
天然黒鉛(鱗状黒鉛と土状黒鉛)と人造黒鉛がある。
人造黒鉛は高濃度のコークスとタールピッチを原料に、電気エネルギーを用いて製造される。
天然黒鉛は大規模な掘削が必要で、人造黒鉛にはコークスが必要である。
これに対し、HAZER® Processは鉄鉱石を触媒として使用し、天然ガスからCO2を出さずに水素をつくるとともに、グラファイトを生産する。
コメントする