韓国自動車業界、中国の部品メーカー休業で生産中止に

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現代自動車は、新型コロナウイルスによる肺炎の発生で中国から調達してきた部品の在庫が枯渇し、韓国国内の工場7カ所の稼働を全面的に中断する。
乗用車20モデル、トラック・バスなど韓国国内で生産してきた全てのモデルの生産ができなくなる。

労組によるストライキ以外の外部要因で同社の工場が全てストップするのは1997年の通貨危機当時に、部品メーカーが破綻危機に追い込まれ、部品供給がストップしたケース以来となる。

蔚山第4工場のポーター、蔚山第5工場のジェネシスの生産ラインが2月4日で稼働を中断し、5日には蔚山第1工場、6日には全州トラック工場が順次稼働を取りやめると発表した。
稼働中断は2月10-11日までの予定だが、中国の部品工場の稼働中断が9日以降も続けば、生産再開は遅れる見通し。

問題となるのはワイヤリングハーネスで、かさが大きいうえ、車種別に生産する必要があり、労働集約型部品のためほとんどが中国で生産している。
現代自動車はワイヤリングハーネスの大半の供給をこれら中国工場から受けている。

ユラ、キョンシンなど韓国企業は2000年代初め、現代自動車が中国に進出すると同時に現地にワイヤーハーネス工場を移転した。

今回中国の部品工場の稼働中断が12日目を迎え、生産ライン全体がストップするというこれまでにない事態に発展した。

韓国の自動車メーカーの下請け企業は、武漢市がある湖北省にはないが、中国政府が工場の春節連休を9日まで延長したことで、13日間にわたり、中国国内の大多数の工場が操業していない。

双竜自動車もワイヤリングハーネスの不足で12日から平沢工場の稼働を中断する。
起亜自動車は今週分まではワイヤリングハーネスの在庫が確保できているが、来週には底をつく。
双竜自動車は、中国から輸入するワイヤリング部品の受給支障により、2月4日から12日まで平沢工場の車両生産を中止する。

韓国GMは「急に米国から部品を持ってくるのは難しいため、中国工場の稼働中断が来週まで続けば、問題が生じる」としている。

ルノーサムスン車は中国産部品の在庫がなくなる2月11日から数日間、工場の稼働を中断することを検討していると明らかにした。「中国企業の連休が終わる2月10日以降、工場を正常稼働する計画だが、工場を再稼働するのに2、3日間ほど準備時間がかかり、短期間の支障は避けられない」と話した。

ルノーサムスンはワイヤリングハーネスだけでなく、10種類余りの中国製部品が不足しているという。

なお、トヨタは停止中の中国の4工場の再稼働時期をこれまでの計画より1週間延ばし、2月17日以降とする。

他の企業も休止を延長する可能性がある。

自動車メーカーの生産が中断すれば、国内に8000社余りある部品メーカーも稼働を中断せざるを得ず、産業全体で大きな被害は避けられない。

現代自動車の工場の操業中断計画を受け、現代モービスもモジュール工場を4日からライン別に休止している。錦湖タイヤは通常週末にも稼働してきた工場で今週は特別勤務を取りやめ、休むことを決めた。一次下請けだけでなく、二次、三次下請け企業も連鎖的に稼働中断を計画している。プラスチック射出業者は「自社も含め、大半の二次、三次下請け企業は7-10日まで休業することを計画している」と話した。

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JETROによると、中国から日本に輸入された部品の総額は、2018年に約3470億円で、日本に輸入される部品の中で約3割である。
中国工場の長期停止は日本の自動車各社の生産にも大きな影響を与える。

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