トランプ米政権は2月10日、2021会計年度(20年10月~21年9月)の予算教書(President's Budget Proposal )を公表した。
一般教書や大統領経済報告と並ぶ「三大教書」の1つ。予算は上下両院に立案・決定権があるため強制力はないが、今後の議会審議のたたき台となる。
社会保障費などの圧縮で、年1兆ドルの財政赤字を5年で半減するよう提案した。
一方で国防費、インフラ投資を増額する。10年間で高速道路や鉄道など陸上輸送に8100億ドル、高速通信や水道などに1900億ドルを拠出する。
メキシコとの国境に壁を建設するため、2021年度予算に20億ドルを拠出するよう求める。
軍事費を除く裁量的経費について年に2%削減する(two-penny plan )。
2021会計年度の赤字は9,660億ドルと1兆ドルを割り込む。2026年度には4,810億ドルとし、2030年度に2,610億ドルまで下がるとしている。
政策折込前の赤字と今回折り込んだ政策の内容は下記の通り。
一方、中立的な米議会予算局(CBO)は1月に、財政赤字が5年後に1兆3千億ドルを超え、10年後には1兆7千億ドルに達すると分析している。
2021年以降の経済成長率をCBOは2%弱とするが、予算教書では3%前後としており、予算教書上の今後10年間の歳入は、CBOの試算に比べ合計で3兆ドルも多く計上されている。
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