クラボウは3月12日、研究用に新型コロナウイルスの抗体を 15 分で検出する検査試薬キットの国内販売を開始すると発表した。衛生研究所、臨床検査会社などの研究・検査機関 に販売する。
現在国内で使われる「PCR検査」は、DNAをその複製に関与するプライマー等を用いて大量に増幅させる方法で、ごく微量のDNAであっても検出が可能だが、機械にかけて遺伝物質の量を増やさなければならず、結果が出るまでに6時間程度が必要である。
なお、神奈川県衛生研究所と理化学研究所は2月27日、既存のリアルタイムPCR装置をそのまま利用することができ、増幅時間の短縮及びエネルギー消費量の削減が可能なSmartAmp法を開発したと発表した。
2020/2/29 COVID-19 ウイルス、迅速検出
クラボウの環境メカトロニクス事業部バイオメディカル部は中国の提携先企業が開発したイムノクロマト法の原理に基づいた「新型コロナウイルス抗体検査試薬キット」を日本国内に輸入し、販売を開始 する。
この検査は、中国における標準診断法の一つとして、3 月4 日に中国での診療ガイドラインに採用された。
イムノクロマト法はセルロース膜上を被検体が試薬を溶解しながらゆっくりと流れる性質(毛細管現象)を応用した免疫測定法である。
https://www.acute-care.jp/ja-jp/learning/course/immunoassay/ria/ic
クラボウの「新型コロナウイルス抗体検査試薬キット」は、少量の血清・血漿・全血をピペッターで専用のテストストリップに添加したのち検体希釈液(専用試薬)を滴下することにより 15 分で新型コロナウイルス感染の有無を目視で簡単に判定できる。
これにより、少量の血液を用いた簡便な操作で、迅速な検査が可能とな る。
本キットでは、感染時に体内で生成される特定の抗体を検出するため、感染初期の患者に対しても判定が可能 である。
PCR 法が採取サンプル中のウイルス量の影響を受けやすいのに対し、本キットでは血液中に抗体が存在すれば判定が可能 である。
さらに、血液を使って判定できるので、検体採取時に懸念される検査作業者への二次感染のリスクも軽減でき る。
PCR法では、検体採取のため鼻腔にスワブを深く挿入するため、強いくしゃみや咳が誘発され、検体採取者への感染リスクが高まる。
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