DSM、SABICとUPMと組み、バイオベースのDyneemaファイバー生産

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DSM は3月12日、プラスチックのリサイクル事業 TRUCIRCLE を開始したサウジのSABIC とフィンランドの林産企業でパルプ残渣からオイルを生産するUPM Biofuels と組み、環境に優しいダイニーマ繊維を生産するためのパートナーシップを設立すると発表した。

DSMは2019年11月、エンジニアリングプラスチックスの既存ポートフォリオのすべてに、2030年までにバイオ及びリサイクルベースの素材を利用した製品を導入すると発表した。

今回、ダイニーマ繊維について、それを実行するもの。

具体的には下記の通り。

参加企業 UPM Biofuels SABIC(TRUCIRCLE) DSM
独自事業 パルプ残渣→バイオ燃料

廃プラ→オイル→エチレン→ポリマー

エチレン→ UHMWPE→ ダイニーマ繊維
今回の分担 パルプ残渣→バイオ燃料→

→ → → → 再生エチレン→ →

→ → → UHMWPE→ ダイニーマ繊維

バイオベースのダイニーマは2020年4月から販売する。

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Dyneema®は高強度ポリエチレンファイバーの防弾素材で、DSMと東洋紡が扱う。HoneywellはSpectra®の商標で販売している。

東洋紡はこれまでDyneema®名で販売していたが、同社独自の新商標「イザナス®」に変更した。

超高分子量ポリエチレン(UHMWPE:通常2~30万の分子量を100~700万まで高めたポリエチレン)でスーパーエンジニアリングプラスチックのひとつとみなされている。高強度で低比重(比重1以下で水に浮く)、耐薬品性や耐光性、衝撃吸収性が高い。

Dyneemaは、繊維、テープ、一定方向(UD)シートなどの形状で製造、販売されている。医療用縫合糸、漁業・水産養殖用ネット、ロープ、スリング、耐刃性手袋・衣料といった高機能素材、車両用および人体衝撃防護材などにも使用され、用途が拡大している。

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UPM(UPM-Kymmene Oyj)は、略称UPM)はフィンランドに本社を置き、世界12カ国に生産拠点を持つ林産企業である。

新しい森林産業のフロントランナーとしてバイオと森林産業を融合し、持続性のある革新的な未来を目指し、再生可能で再利用可能な原材料から価値を創出するとしている。

UPMバイオ素材関連事業、UPMエネルギー、UPMラフラタック、UPMスペシャリティーペーパー、UPMコミュニケーションペーパー、UPM合板、の6つの事業で成り立っている。

UPM Biofuelsは非食品の再生可能原料を使用し、バイオ燃料を生産する。現在、パルプ残渣を原料とする同社のUPM BioVerno (バイオディーゼル)はフィンランド、スカンディナビア、EUで使用されている。

 

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SABICは1月20日、DavosのWorld Economic Forumで、同社のリサイクル事業TRUCIRCLE™ の考え方を発表した。

'Making a World of Difference Together' のスローガンの下で、いろいろなプラスチックの廃棄物からポリマーを生産するもので、再生原料からのポリカーボネートも含まれる。

2019年1月に、英国のPlatic Energy社のスペイン工場で低品質で混じりあった廃プラから熱分解油が作られ、それがオランダのSABICのGeleen工場で原料として投入された。

2021年にはオランダのGeleenに、廃プラから熱分解油を生産するセミコマーシャル工場を稼働させる。

今後、廃プラからのプラスチック生産を拡大する。

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