ダイセル、酢酸セルロースと石灰石を使用した新素材を共同開発 

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ダイセルは3月2日、TBMと共同で、酢酸セルロースと石灰石を組み合わせた新素材「海洋生分解性 LIMEX」の開発を開始したと発表した。

生分解性を有する酢酸セルロースと、世界中に豊富に存在する石灰石を使用した革新的な材料として、将来的にはプラスチックや紙の代替とすることを目指す。

ダイセルは酢酸セルロースのトップメーカー。

酢酸セルロースは、植物由来のセルロースと天然に広く存在する酢酸を原料として製造されるプラスチック材料。

生分解性を持ち、最終的に水と二酸化炭素に生分解されるため、環境に負荷を与えない。海洋中でも分解されることが確認されている。

㈱TBMは無機フィラー分散系の複合材料LIMEX」を開発・製造・販売するベンチャー企業

LIMEXの主成分は炭酸カルシウムと熱可塑性樹脂で、炭酸カルシウム(石灰石)粉末を60から80%程度、残りをPE、PP、PS、PETなど の熱可塑性樹脂で補い、数パーセントが補助剤となっている

既存の設備で、押出成形、インフレーション成形、真空成形、射出成形が可能。

ラスチックや紙の代替素材として、買い物袋やホテルアメニティ、飲食店のメニュー表などに使用されている。

但し、LIMEXペーパーは、主成分が炭酸カルシウムと熱可塑性樹脂のため、古紙の回収やプラスチックの回収サイクルにのせることはできない。
プラスチック混入により出来上がった再生紙の品質が下がり、炭酸カルシウムが製紙汚泥になる 。古紙から再生紙を生成する工程に混ざると、スクリーンや配管を詰まらせる原因となりうる。

今回両社は、生分解性を有する酢酸セルロースと、世界中に豊富に存在する石灰石を使用した新素材「海洋生分解性LIMEX」を共同開発する。 既存のLIMEXの熱可塑性樹脂を酢酸セルロースに置き換えることで海洋生分解性を得る。

石灰石は世界各地で埋蔵量が豊富で、日本でも100%自給自足が可能で、価格安定性に優れた材料で ある。

両社は2020年度中の採用を目標に共同開発を進め 、将来的には紙やプラスチックの代わりとして、海洋プラスチックごみ問題の原因となっている飲食品容器や農漁業用品のほか、身の周りにある文房具やおもちゃなど、幅広い用途への採用を目指す。

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TBMは2008年10月、台湾の台灣龍盟科技 (Taiwan Lung Meng Technology) との間で『ストーンペーパー』の日本での独占販売及び輸入代理店の契約を締結、Keeplusという商品名で販売していた。

TBMは2014年に「LIMEX」の国内特許を取得、基本特許は世界40か国以上で出願し、日中欧米を含む30か国以上で登録済。



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