SaudiAramcoは3月7日、4月の原油調整金を発表した。
Aramcoは原油価格を基準の原油(アジアはDubaiとOmanの平均、欧州はBrent、米国はArgus Sour)の月間平均価格に調整金を上乗せした価格としている。
通常は毎月5日までに翌月の調整金を発表しているが、今回は3月末がOPECプラスの協調減産の期限となるため、3月6日のOPECプラスでの減産拡大・継続交渉の結果を待っていた。
別記事の通り、ロシアとの交渉は決裂した。
サウジが提案した日量150万バレルの減産拡大が却下されただけでなく、現状の日量210万バレルの減産も3月末で終了する。
これを受け、Aramcoは4月の調整金を大幅に引き下げた。
アラビアンライトについては下記の通り。
アジア:6.00ドル引き下げ -3.10ドル (Dubai / Oman 平均に対し)
欧州: 8.00ドル引き下げ -10.25ドル(Brent に対し)
米国: 7.00ドル引き下げ -3.75ドル(Argus Sourに対し)
なお、アジア向けの実績(2020/2)は下記の通り。2019/8~12は不明(9月のサウジ石油施設攻撃以降、 非開示となった。)
今回の調整金の大幅引き下げから見ると、サウジ政府は、これまでの需要減のなかでの減産による価格引き上げを諦め、大幅値下げによる拡販での収入増に切り替えたと思われる。
アジアでみると、協調減産の終了によりDubai / Oman 平均価格は大幅に下落すると思われるが、Arabian light はそれから更に6ドル値引きする。
他国も追随して値下げすると思われ、原油価格は暴落すると思われる。これまでOPECプラスの減産による原油価格上昇の恩恵をひとり受けていた米国のシェールオイルも被害を受けることとなる。
付記 3月8日 (日)時間外でWTIが一時 30ドルまで下落した。
減産の終了で、サウジの生産量は(公称では)日量89万バレルの増産となる。需要減のなかで値下げで拡販し、歳入増を図る。
現在の取り決めでは、2018年10月の生産量をベースとする減産内訳は下記の通り。
2019/1~ 2020/1~ サウジ自主 合計 OPEC 80万バレル 37万バレル 40万バレル 157万バレル 非OPEC 40万バレル 13万バレル 53万バレル 計 120万バレル 50万バレル 40万バレル 210万バレル うちサウジ 32.2万バレル 16.7万バレル 40万バレル 89万バレル
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