ExxonMobil、恵州大亜湾の新石油化学コンプレックスの着工式

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ExxonMobilは4月22日、恵州大亜湾の新石油化学コンプレックスの着工式をクラウドで行った。
式典は、北京の人民大会堂、広東省恵州市の会場、米テキサス州ダラス市の3会場をライブ配信でつなげる形で行われた。

韓正副総理が人民大会堂で参加、午前11時に建設開始を宣言した。

米国企業としては初の単独でのプロジェクトで、投資額は100億ドル、年産160万トンのエチレンクラッカーと誘導品を建設する。

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ExxonMobilは2018年9月5日、広東省政府との間で、恵州大亜湾石油化学工業団地に石油化学コンプレックスを建設する協議を進める基本協力契約に調印したと発表した。

計画では、年産120万トンのエチレン(原料は多様化)、2基の機能性ポリエチレン系列、2基の機能性ポリプロピレン系列を含む。2023年の操業開始を目指す。

基本契約では、ExxonMobilがLNGの供給を含めて参加する意向の恵州LNG受入基地の建設に省政府が協力することも確認している。(本件については詳細を明らかにしていない。)

エチレンと誘導品で最先端の製造技術を使用し、中国の石油化学政策(自給自足の多様化した原料ソース、燃料と価格品のバランス是正、最先端の競争力ある技術)の達成に向け支援するものとなるとしている。

2018/9/10 ExxonMobil、中国で新しい石化コンプレックス、LNG受入基地も 

ExxonMobilは2019年10月、Framework Agreement を締結した。

この時点までは、エチレン能力は120万トンとしていたが、今回の人民日報等の報道では160万トンとなっている。

計画は2段階で行われ、第一段階では下記のプラントを建設する。

エチレンクラッカー 160万トン
メタロセンポリエチレン 120万トン
高圧ポリエチレン 47万トン
耐衝撃性ポリプロ 42万トン
一般ポリプロ 42万トン

第一段階は2023年スタートで、その後に第二段階(内容不明)の建設を開始する。

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ExxonMobilは既に、福建省泉州に福建煉油(SINOPECと福建省政府の50/50JV)との石油精製・石化JVを持つ。

①Fujian Refining & Petrochemical Company Limited 

福建煉油の製油所(4百万トン/年)を12百万トン/年に拡張し、石油化学コンプレックスを新設

出資:ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 25%
  
Saudi Aramco Sino Company Limited  25% 
   
福建煉油Fujian Petrochemical Company)50%

製品: エチレン 80万トン→ 110万トン
  PE 80万トン→96万トン
  PP 40万トン→55万トン
  芳香族 100万トン
  パラキシレン 70万トン

②Sinopec SenMei (Fujian) Petroleum Company Limited.  ガソリン販売

 出資:Sinopec  55%
     ExxonMobil China Petroleum and Petrochemical Company Limited 22.5%
     Saudi Aramco Sino Company Limited 22.5%

2006/4/7 中国のエチレン合弁会社ー2

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恵州市大亜湾では、中海シェル石油化学が2期エチレンをスタートさせている。

2018/5/16  中海シェル石油化学、第二期計画スタートアップ 





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