JDIといちごアセットマネジメント、最終契約を大幅に変更

| コメント(0)

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は2020年1月31日、独立系投資顧問のいちごアセットマネジメントから最大1008億円の出資を受け入れる方向で最終契約を結んだと発表した。


この時点の契約では、いちごのB種優先株発行時点で、いちごの出資比率は44.26%となる。

その後3月13日に、JDIはいちごアセットマネジメントとの間で100億円の追加の資金調達で基本合意したと発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大で事業環境が悪化しており、追加的な運転資金を確保するもの。

2020/2/3  JDI、いちごアセットマネジメントと最終契約

当初、いちごの優先株はB種、C種とも転換価格は1株50円とされており、3月13日の合意で単に100億円の追加と見られていた。

4月22日付日本経済新聞は、3月13日の合意はそれだけでなく、全体の半分を占めるC種優先株の転換価格を1株20円に変更することを含んでいることを報じた。
これにより、全体の転換価格は 1株50円から30円弱に引き下げられ、C種優先株の転換後のいちごの出資比率は当初の想定と比べ、大きく増えることとなる。

2020/1/31合意 2020/3/13合意 増減
金額 株数 金額 株数 金額 株数
B種優先株 504億円 @50 10.08億株 554億円 @50 11.08億株
C種優先株 504億円 @50 10.08億株 554億円 @20 27.70億株
合計 1008億円 @50 20.16億株 1108億円 @28.57 38.78億株 +9.9% +92.4%

これは、契約中のMAC条項(Material Adverse Change Clause)or MAE条項(Material Adverse Effect Clause)と呼ばれる条項に基づくもので、契約書にサインした時からクロージングまでの間に発生する各種リスクを契約当事者間で配分するための取り決めをいう。

JDIは3月25日に臨時株主総会を開いて、いちごの出資受け入れを正式に決めることになっていた。

2020年1月31日にいちごアセットが契約を締結した際のJDIの株価は@70で、転換価格の@50は好ましいものであった。

しかしその後、新型コロナショックで株価は下落、3月12日には@50を割った。

これを受け、いちごアセットはMAC条項を発動し、出資額を100億円増やすことを交換条件に、C種優先株について転換価格を大きく引き下げた。




ーーーーーーーーーーーーーー

前日以前のブログを続けてみる場合は、ページトップのタイトル(下の部分)をクリックしてください。


過去のデータは下記から利用できます。

ブログ バックナンバー目次

データベース

ブログ & データベース専用検索

Google
www.knak.jp を検索

コメントする

月別 アーカイブ