ヘルスケア・ライフサイエンス系専門メディアのSTATは4月16日、COVID-19の中等度と重度の患者を対象に実施しているRemdesivirの臨床試験の結果を報じた。
University of Chicago Medicine は125名の患者(うち113名が重症)でテストをした。このうち、ほとんどが既に退院した。死亡は2名だけであったという。
対照群にプラセボ群は置いていない。
病院の発表ではなく、臨床試験の結果について大学の他のメンバーとのテレビ会議のビデオのコピーをSTATが入手したもの。
Gilead では、2本の第3相臨床試験を実施中で、4月中にも結果を発表すると見られる。「今の段階で言えることはテストの結果のデータに期待しているということだ」としている。
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Remdesivir はGilead Sciencesが開発した抗ウイルス薬で、エボラ出血熱及びマールブルグウイルス感染症の治療薬として開発され、MERSおよびSARSウイルスなどのコロナウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが見出された。同社の研究チームは、MERSコロナウイルスに近いCOVID-19の治療にも使える可能性を指摘している。
Remdesivir はどの国でもまだ承認を受けていない。
米国立衛生研究所(NIH)は、COVID-19の治療薬候補のGilead Sciences 社のRemdesivirの世界規模での治験に着手している。
治験はNIHの1部門である米国立アレルギー・感染症研究所が主導、米ネブラスカ大学と協力して進める。世界50カ所で偽薬とremdesivir を患者に投与し、治療効果を検証する。治験参加数は400人程度を想定している。
WHOを中心とした研究開発チームも抗エイズウイルス(HIV)薬のLopinavirとRitonavir の合剤と、Gilead Sciencesの Remdesivir を試験している。
中国を視察したWHOのBruce Aylward 事務局長補は2月24日、「現時点で有効と思われる唯一の薬がある。それは remdesivirだ」と述べた。
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Gileadは、2本の第3相臨床試験を実施中。
うち1本は、COVID-19と診断された中等度の入院患者1600例を対象としたもので、被験者を標準療法に上乗せしてRemdesivirを5日間または10日間静注投与する群と、標準療法を受ける群に割り付け、11日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験。
同第3相臨床試験には、日本を含めた世界各国・地域、169施設が参加している。
もう1本は、COVID-19と診断された重度の入院患者2400例を対象としたもので、被験者を標準療法に上乗せしてRemdesivirを5日間または10日間静注投与する群に割り付け、14日後の重症度を7段階の尺度で評価する非盲検ランダム化比較試験。同第3相臨床試験には、世界各国・地域、152施設が参加している。
今回報道されたUniversity of Chicago Medicine はこれに参加している。
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