主要企業の2020年3月決算 - 三菱ケミカルホールディングス

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大幅減益となった。

産業ガスを除いてすべて減益だが、特にMMAとヘルスケアの減益が大きい。
なお、田辺三菱製薬は2月に100%子会社となり、上場廃止となった。

                                     単位:億円(配当:円)
  売上高 営業損益 うち
コア
うち
持分法
税引前
損益
法人
所得税
継続
事業
損益
非継続
事業
損益
税引後
損益

うち

配当

少数株主 株主帰属 中間 期末
18/3 37,244 3,557 3,805 266 3,441 -677 2,764 2,764 646 2,118 15.0 17.0
19/3 38,405 2,948 3,141 268 2,848 -706 2,143 25 2,167 472 1,695 20.0 20.0
20/3 35,805 1,443 1,948 134 1,220 -523 697 169 866 325 541 20.0 12.0
増減 -2,600 -1,505 -1,193 -134 -1,628 183 -1,446 144 -1,302 -147 -1,155 - -8.0
21/3 33,340 1,370 1,400 1,140 490 12.0 12.0


連結子会社であったLSIメディエンスの全株式の株式交換に伴い同社及びその子会社等の事業を非継続事業に分類

 

営業損益

  17/3 18/3 19/3 20/3 増減 内訳 21/3
売買差 数量差 コスト削減 その他
機能部材 623 580 382 369 -13 -26 -125 63 1 370
機能化学 319 360 331 257 -74 140
MMA 379 1,096 944 243 -701 -808 -47 26 -148 260
石化 209 259 87 -21 -108 -130
炭素 38 124 249 81 -168 30
産業ガス 521 575 633 880 247 0 198 12 37 800
ヘルスケア 984 812 538 146 -392 -43 -448 78 21 -10
その他 2 -1 -23 -7 16 6 22 0 -12 -60
合計 3,075 3,805 3,141 1,948 -1,193 -871 -400 179 -101 1,400

その他差には受払差、持分損益差等

MMAの年初の国際価格(アジア地域)は1トンあたり1550ドル弱で、前年同期の2,650ドルから大幅に下落した。
2018/3月期の営業利益1096億円から853億円も減益となった。

産業ガスについては、子会社の大陽日酸が2019年3月に米国Praxairの欧州事業を買収したため、増収増益となった。

2018/7/13 大陽日酸、米国Praxairの欧州事業を買収

ヘルスケアは、下記の田辺三菱製薬 参照

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三菱ケミカルホールディングス
は2019年1118田辺三菱製薬普通株式の全てを取得し、完全子会社とすることを目的とし、公開買付けを実施すると発表した。

田辺三菱製薬は、2020/1/17~2/26の間は整理銘柄に指定され、2/27に上場廃止となった。

従来は田辺三菱製薬の税引き後損益の56.39%が三菱ケミカルホールディングスの連結損益となったが、今後は100%となる。

2019/11/22 三菱ケミカルホールディングス、田辺三菱製薬に公開買付け

営業損益のほとんどを占めていたロイヤリティ収入が激減し、大幅減収減益となった。
同社はロイヤリティ収入を除くと、コア営業損益はほとんどゼロである。

  売上高 営業損益 うちコア ロイヤリティ 税引前 株主帰属 配当
中間 期末
18/3 4,339 773 785 791 788 580 38.0 28.0
19/3 4,248 503 558 631 504 374 28.0 28.0
20/3 3,798 -60 190 174 -64 1
増減 -450 -563 -368 -457 -568 -373
21/3 3,835  170 100 非公表 175 85    


営業損益のうち、コア損益以外はメディカゴの米国開発計画変更に伴う製品に係る無形資産の減損損失 240億円ほか

問題は多発性硬化症治療剤「ジレニア」のロイヤリティ収入である。

田辺三菱製薬の前身の吉富製薬が創製し、海外ではノバルティス(スイス)に導出したこの薬剤のロイヤリティ収入は、収益の柱となっている。

2019年2月、ノバルティスから本件契約の規定の一部の有効性について疑義が提起され、2019年2月15日、国際商業会議所より、ノバルティスを申立人とする仲裁の申立てがあった旨の通知を受領した。

ノバルティスは、米国、EU等における製品の売上ベースのロイヤリティ支払い義務を定める本件契約の規定の一部は無効であり、ノバルティスにはロイヤリティの一部の支払義務がないことの確認を求めている。

本仲裁は、ICCの仲裁規則に従い、英国ロンドンを仲裁地として行われる。

IFRSルールでは、収益認識基準の要件の一つ に「契約の当事者が契約を承認しており、それぞれの義務の履行を確約している」 があり、ノバルティスが契約の有効性について疑義を提起している部分がこれを満たさなくなったため 、売上収益から除外する。

田辺三菱は、本件契約の有効性を検討した結果、何ら問題はないという結論に至っているとしている。今後、仲裁で勝利した場合、売上収益から除外している部分については一括収益計上する。

もう一つのロイヤリティの「インヴォカナ」は、ヤンセンファーマシューティカルズに導出した2型糖尿病治療剤。

 

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