石油化学(石油化学製品、メタアクリルの交易条件悪化)と健康・農業(メチオニンの交易条件悪化、農薬出荷減)で大幅減益となった。
単位:億円 (配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
税金の増加は、大日本住友製薬の影響(下記参照)
営業損益
単位:億円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
MMAの年初の国際価格(アジア地域)は1トンあたり1550ドル弱で、前年同期の2,650ドルから大幅に下落した。
健康・農業関連は飼料添加物メチオニンの交易条件悪化の影響が大きい。
2018年に10月4日、メチオニン製造設備1系列を増強、既存設備15万トンとあわせ年産約25 万トンになった。2019年9月に生産効率の低い旧式のプラントを停止し、コスト優位性のある他のプラントも必要に応じた生産体制の見直しにより、競争力を強化
医薬品については、大日本住友製薬を参照。
持分法損益も激減した。
付記 2020/5/28 経営戦略説明会で2021/3予想を発表 不確定減益要因 -200~-500億円
ーーー
大日本住友製薬の業績は次の通り。(住友化学出資比率 50.22%)
単位:億円 (配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
特記事項
1) 抗がん剤として開発中の経口剤ナパブカシンの膵がんを対象としたフェーズ3 試験の中止
2019年7月2日、米国子会社であるBoston Biomedical, Inc.が創製し、抗がん剤として開発中の経口剤ナパブカシンの膵がんを対象としたフェーズ3 試験の中止を発表した。
この関係で、減損損失を197億円計上したが、Boston Biomedicalの買収に係る条件付き対価公正価値(費用)が大きく減少することとなり、費用を418億円戻入した。
(所定の業績が達成できない場合には売主から対価を返還してもらう、または支払うべき対価を減額する契約)
この二つの費用の前期比増減が296億円の非コアの営業利益増となった。
税務上では、この影響で米国で繰延税金取り崩しを行うこととなり、税金が増加した。
2) Sumitovant Biopharma
大日本住友製薬は2019年10月31日、米国の Roivant Sciences との間で、戦略的提携に関する正式契約を締結した。
本戦略的提携には、Roivant の子会社 5 社の株式取得、他の子会社 6 社の株式取得に関するオプションの獲得、Roivant 株式の 10%の取得、ヘルスケアテクノロジープラットフォームの取得が含まれている。
大日本住友製薬は対価として総額30億ドルを支払う。(子会社5社を含めた新会社に 20億ドル、Roivantの株式に10億ドル)
2019/11/4 大日本住友製薬、Roivant Sciences と戦略的提携、30億ドルを投資
2019年12月に手続き完了、英国に持株会社 Sumitovant Biopharma Ltd.、米国に運営管理会社Sumitovant Biopharma Inc. を設立した。
買収した5社はまだ売上高がなく、管理費、研究費は多額である。
2020/3月期は第4四半期だけであるが、コア営業損益で-156億円となった。
2021年3月期にはフルにかかるため、営業損益で660億円のマイナスとなる。暫くは負担が続くと思われる。
2020/3 | 2021/3予想 | |||||
新社 | 一般 | 合計 | 新社 | 一般 | 合計 | |
売上高 | 0 | 4,828 | 4,828 | 40 | 5,060 | 5,100 |
販管費 | 65 | 1,834 | 1,899 | 460 | 1,830 | 2,290 |
研究費 | 90 | 836 | 926 | 240 | 790 | 1,030 |
コア営業損益 | -156 | 876 | 720 | -660 | 990 | 330 |
営業損益 | -155 | 987 | 832 | -660 | 900 | 240 |
当期損益 | -167 | 526 | 359 | -680 | 540 | -140 |
親会社帰属 | -119 | 526 | 407 | -470 | 540 | 70 |
コメントする