化学会社の2020年3月決算 -三菱ガス化学 

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主力のメタノールが、値下がりと、サウジのメタノールJVの出資比率減、一過性費用の発生などで赤字となり、大幅減益となった。

単位:億円 (配当:円)

  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別
損益
当期
損益
  配当
中間 期末
2018/3 6,359 627 183 807 -73 605 24.0
(12.0)
35.0
(17.5)
2019/3 6,490 414 284 692 -1 550 35.0
(17.5)
35.0
(17.5)
2020/3 6,133 343 -13 311 32 212 35.0
(17.5)
35.0
(17.5)
増減 -356 -71 -297 -381 34 -338 0 0
2021/3予 5,800 270 15 260 170 35.0
(17.5)
35.0
(17.5)


同社の海外メタノール事業はJV運営で持分法損益となるため、これを含めた経常損益ベースで判断する。

18/3 19/3 20/3 増減 うち持分法 21/3予想
天然ガス系 149 227 -57 -284 -244 -18
芳香族 251 140 105 -35 56
機能化学品 386 282 223 -59 -45 194
特殊機能材 63 45 58 14 -4 49
その他 3 5 0 -5 -4 0
全社 -46 -6 -18 -12 -20
合計 807 692 311 -381 -297 261


主力のメタノールの価格は下図の通り、低迷が続く。

持分法子会社以外の営業損益でも71億円の減益だが、メタノール等の価格差が-108億円ある。
光学樹脂ポリマー、電子材料等では数量増の益が56億円ある。

三菱ガス化学が主体(47%出資)の日本・サウジアラビアメタノール(JSMC)とサウジのSABICとの50/50JVのSaudi Methanol Company (AR-RAZI) は2018年11月29日に合弁契約の期限切れを迎えた。

その後の交渉で下記の通りとなった。

JSMC SABIC  
従来 50% 50%  
2018/11/29 25% 75% SABICは 150百万ドルをJSMCに支払い
2019/3/末契約延長  25%  75% JSMCは 1,350百万ドルをSABICに支払い

JSMCは 1,350百万ドルを20年分割で経費算入する。

これにより、2020年3月期は持分利益が半減した。 

2018/11/5 三菱瓦斯化学のSaudi Methanol、合弁契約の期限切れ 

なお、三菱ガス化学は当期にAR-RAZI株式売却に伴う損失や追加の税金費用など一過性費用の発生78億円を計上した。


持分法損益については2021年3月期も、一過性費用がなくなるだけで、当期と同じ状況が続く。



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