欧州で新型コロナ感染の子供に「川崎病」に似た症例

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WHOは4月29日、新型コロナウイルスに感染した子どもの中で、血管に炎症が起きて発疹や目の充血などを起こす「川崎病」に似た症例が複数報告され、各国と連携しながら注視していく考えを示した。

ヨーロッパ各国では全身の血管に炎症が起こる「川崎病」に似た症状のある子どもがこのところ相次いで確認されている。

英国のハンコック保健相は4月28日、同国で既往症のない子どもが珍しい炎症性症候群で死亡するケースが複数でており、研究者らがCOVID-19と関連があるとみていると述べた。子どもは病院に搬送されてきた時に高熱と動脈部の腫れの症状があった。

ハンコック保健相は、「死亡した何人かの子どもには既往症がなかった。COVID-19ウイルスが原因かもしれないが、検査で陽性反応がでなかった人もいる」とし、「引き続き調査を進める」と述べた。

同様の報告はスペインやベルギーなど各国で挙がっていて、フランスでは、今月半ばからこれまでに15ほどの症例の報告があった。

イタリアの専門家は、「今の段階でははっきりしていないが、どちらにせよCovid19が川崎病と同じ症状を引き起こすことはあり得る。ウィルスに感染したのをきっかけにそれを防ごうとする免疫反応として川崎病の症状が出るのかもしれない」としている。

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「川崎病」は、1967年 に小児科医の川崎富作医師が発表した、手足の指先から皮膚がむける症状を伴う小児の「急性熱性皮膚粘膜りんぱ腺症候群」が新しい病気であることがわかり、博士の名前をとって川崎病という病名にな った。

川崎病は急性熱性疾患(急性期)と冠動脈障害を主とした心疾患(後遺症)の2つの疾患をもつ。

急性期の症状は下記の通り。

  1. 5日以上続く発熱(38度以上)
  2. 発疹
  3. 両方の目が赤くなる(両側眼球結膜充血)
  4. 唇が赤くなったり、苺舌がみられる
  5. 病気の初期に手足がはれたり、手のひらや足底が赤くなったりする
    熱が下がってから、手足の指先から皮膚がむける膜様落屑(まくようらくせつ)がある
  6. 片側の首のリンパ節がはれる

重症の血管炎から後遺症として冠動脈障害や心筋梗塞を引き起こす。

冠状動脈(冠動脈)の血管壁の構造がこの反応によって破壊されてもろくなり、もろくなった部分が拡大して瘤となることがある。(冠動脈障害)
冠動脈障害が原因になって、この動脈が詰まり、心筋梗塞がおこる場合がある。
(通常、心筋梗塞は動脈硬化からくる成人病だが、こどもでも川崎病による冠動脈障害が原因となっておこる場合がある。)

この病気は世界各地で報告されていて、とくに日本人、日系アメリカ人、韓国人などアジア系の人々に多くみられる。

原因はまだ不明だが、ウイルスや細菌に感染したのをきっかけにそれを防ごうとする免疫反応がおこり、全身の中小の血管に炎症が生じるのではないかと考えられてい る。

細菌などが侵入すると、それが刺激になって白血球が増え、血管の壁(血管壁)に集まる。
この状態が血管炎で、炎症が強すぎると白血球から出る酵素によって血管壁は傷んでしまう。

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