米下院で初の「遠隔投票」

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米下院本会議は5月27日、中国新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族への弾圧に関与した中国の当局者に制裁を科すようトランプ政権に求めるウイグル人権法案を賛成413、反対1の圧倒的多数賛成で可決した。

米政府が弾圧や人権侵害に携わった人物のリストを180日以内に作って議会に報告、これらの人物を対象に、ビザ(査証)発給の停止や資産凍結などの制裁を科す内容。

米上院本会議は5月14日、ウイグル人権法案を全会一致で可決した。

下院は2019年12月に類似の法案を407対1の圧倒的な賛成多数で可決していたが、上院で内容を修正したため、再度可決した。

成立にはトランプ大統領の署名が必要だが、大統領は香港情勢を巡る米中対立の激化も踏まえて対応を判断する。


この投票は下院で史上初めて遠隔投票(remote voting)が認められた。

下院は5月15日、新型コロナウイルスの影響で議会運営が停滞するのを避けるため、「遠隔投票」(remote voting)を可能とする規則変更の決議案を賛成多数で可決した。

共和党 民主党 無所属 合計 欠員
賛成 217 217
反対 185 3 1 189
棄権 11 13 24
合計 196 233 1 430 5

注 その後の補欠選挙の結果、現在は共和党が +1人

欠席議員が代理人を登録し、代理の議員が代わりに投票する。

この日は民主党議員74人がこれにより投票した。(全議員の17%に相当)

遠隔投票に反対の共和党は出席して票を投じた。

下院共和党議員は5月26日、憲法違反を理由に遠隔投票を阻止すべく Pelosi 下院議長を訴えた。遠隔投票で議決された法案は法律にならないことを求めている。

なお、下院の委員会では1995年以前は代理投票が認められていた。

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