中国医薬集団、新型コロナウイルスワクチンの第3相臨床試験をUAEで実施

| コメント(0)

中国医薬集団(China National Pharmaceutical Group Corporation:Sinopharm)傘下の中国生物技術(China National Biotec Group :CNBG) は、開発中の新型コロナウイルス不活化ワクチン候補の第3相臨床試験をアラブ首長国連邦(UAE)で開始したと発表した。

6月23日に北京市と武漢市、Abu Dhabiをつないだテレビ会議が開かれ、協力協定が結ばれた。新型コロナ不活化ワクチンの第3相臨床試験が実施されるのは世界初となる。

同ワクチンは既に中国国内で第1、2相の審査を終え、重篤な副作用もみられず、優れた安全性を示す記録が得られた。異なる方法と用量で28日の間隔を空けて2回投与したところ、いずれも高力価の抗体ができ、被験者の体内における中和抗体の陽転率も100パーセントに達した。

なお、CNBGは武漢にWuhan Institute of Biological Products、北京にBeijing Institute of Biological Productsを持ち、それぞれで別の不活性化ワクチンを開発しておりともにWHOのクチン開発状況で臨床試験段階にある10件のなかに含まれている。今回のは武漢のもの。

2020/6/3 中国製ワクチン5種が第2期臨床試験段階へ

第3相臨床試験は多数の患者が必要で、中国では新規感染者が少ないため、感染者が増えている海外で試験を行う。

中国CanSino Biologics(康希諾生物)はカナダのDalhousie UniversityのCanadian Centre for Vaccinology で実施する。

 2020/5/26 中国CanSino Biologicsの新型コロナウイルスワクチン、初期治験で安全性と免疫誘導確認

Sinopharmはアブダビの人工知能(AI)・クラウドコンピューティング関連企業であるGroup 42 と組んで治験を実施する。今後、同社とワクチンの現地生産でも協力するとしている。

Sinopharmは既にバイオセーフティ基準に合致した大規模生産設備を北京に建設した。大量生産が始まれば、年に1億2千万個の生産が出来る。
武漢にも工場を建設中で、完成すれば年に1億個の生産が可能である。

コメントする

月別 アーカイブ