住友商事は7月20日、マダガスカル共和国 で推進中のニッケル採掘・精錬の「Ambatovy Nickel Project」に関して、約550億円の減損損失が発生する見込みとな ったと発表した。
同社は2016年1月にも、ニッケル価格の下落を理由に約770億円の減損損失を計上すると発表している。
2005年 にマダガスカル共和国でニッケル採掘から精錬までを一貫して手掛けるAmbatovy Nickel Projectに参画した。
JV名 | ① Ambatovy Minerals ニッケル採掘 ② Dynatec Madagascar ニッケル精錬 |
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株主 |
Dynatec はエンジニアリング・鉱山会社で、ニッケルについては、最高レベルの知見・経験を持つ。 Korea Resources(韓国鉱物資源公社)は海外資源開発投資の国策会社 住友商事は2017年5月2日、本件のストラクチャー変更で基本合意したと発表した。 青字が変更後。
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立地 |
Ambatovy鉱山はAntananarivoから東へ80km、海抜1,000m程のAmbatovyに位置する。 |
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初期投資 | 2006/10時点 25億米ドル→2007/8時点 33億米ドル
2007年8月、21億米ドルのプロジェクトファイナンス契約を締結 現在の報道では72億ドルとされる。 |
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能力 |
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鉱山寿命 | 少なくとも27年間を想定 |
今般、新型コロナウイルス感染拡大に伴う操業の一時停止及びニッケル中・長期価格見通しの下落等を踏まえ、同プロジェクトの事業計画を見直した結果、プロジェクト会社が保有する固定資産の簿価を全額回収することは困難と判断し、回収可能価額まで減損損失を計上することにな った。
これに伴い、「持分法による投資損失」約550億円を計上見込み。
Ambatovyのこれまでの損失は計1518億円に及ぶ という。年内は操業停止が続くとみられ、業績の重荷となる。
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なお、共同出資しているカナダの資源開発会社Sherritt International が、財務悪化を受けて、カナダ会社法に基づき、Plan of Arrangement(債務整理計画)を裁判所に提出し、債務整理プロセスに入っている。
同社は、Plan of Arrangementの賛否を問う投票を債権者向けに実施した結果、このたび債権者の89パーセントの賛成を得た旨を公表した。
このなかに、住友商事のSherritt International に対するローン債権とSherritt が保有する本事業の株式12%のうちの6.5%を交換することが含まれる。
今後、裁判所による承認などを経て、住友商事の持分は54.17%に上昇する。50%超にはなるが、同社では引き続きKorea Resourcesとの共同支配企業として持分法を適用する見込みとしている。
Sherritt Internationalは2007年にDynatec を買収し、49%株主となり、Operatorとなった。
しかし、資金難で資金拠出を停止、2017年5月にストラクチャー変更で基本合意した。
Sherritt は12パーセントに出資比率を落としてオペレーターを継続する。住友商事は債権を出資に変え、出資比率を47.7%にした。
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