三井物産と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(LOGMEC)が出資するアフリカ・モザンビークのLNG開発に国際協力銀行(JBIC)やメガバンクが144億ドルを協調融資し、民間の融資には日本貿易保険がリスクをカバーする。
融資に参加するのはJBICが144億ドルのうちの30億ドル、残りはアフリカ開発銀行のほか、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行 、三井住友信託銀行など。
LNG開発に参加するのはMitsui E&P Mozambique Area 1 Ltd.で、三井物産が50.01%、JOGMECガ49.99%出資する。2007年11月に設立された。
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モザンビークとタンザニアの国境を流れるRovuma川の河口と沖合に世界最大規模のガス田が発見され、開発が始まった。
モザンビークの海底ガス田の開発は6区に分けて行われている。
全体図 |
三井物産は2008年2月、米国大手独立系石油・ガス開発会社 Anadarko Petroleumがモザンビークに保有する石油・天然ガス探鉱鉱区(Area 1)の権益の一部を取得することで同社と合意した。
現在 | ||
Anadarko (オペレーター) | 26.5% | ONGCに10% 譲渡 |
Mitsui E&P | 20% | |
モザンビーク国営石油会社 ENH Rovuma Área |
15% | |
ONGC Videsh Oil and Natural Gas Corp (インド) |
10% | Anadarkoより |
↓ (+6%) | (Beas Rovuma) | |
Beas Rovuma Energy Mozambique (ONGC and state-run Oil India ) |
10% | Videocon より (ONGC60%、Oil India 40%) |
Oil India(インド) | ↑ (4%) | (Beas Rovuma) |
BPRL Ventures Mozambique(インド)Bharat PetroResources Limited (BPRL) | 10% | |
PTTEP Mozambique Area 1 PTT Exploration & Production (タイ) |
8.5% |
計画:
概要 Area 1 海底天然ガス田 推定可採資源量
17~30兆立方フィート超LNGプラント LNG年産2,000万トン
当初LNG年産500万トン×2系列
2019年にAnadarkoはLNGプラント着工を決定した。
Occidental Petroleumは2019年8月8日、Anadarkoの買収が完了したと発表した。債務込みで550億ドルとなる。
2019/5/2 Occidental Petroleum、Chevronに対抗し、Anadarkoに再度の買収提案 付記
千代田化工建設は2019年6月6日、イタリアSaipem S.p.A.及び 米国McDermott International Inc.と共同で、EPC(設計・調達・建設工事) 業務を受注した。
三井物産も2019年6月19日に最終投資決断を行ったと発表した。
天然ガスの生産・液化からLNGの輸送までを行う上中流一体型事業で、LNG事業も上記の権益比率で行う。2024年より年間1,200万トンのLNGを生産する。
2019/6/7 モザンビークLNG 計画スタート
このうち、下記の供給が決まっている。
CNOOC 年間150万トン、EDF 年間120万トン、Shell 年間200万トン
JERA(東電と中部電力のJV)と台湾CPC 年間160万トン、東京ガスと英国Centrica plc 年間260万トン、東北電力 年間28万トン
モザンビークの他のプロジェクトの状況は 2019/9/6 東アフリカのLNG計画
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