政府、ワクチン確保へ国際共同購入を検討 

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政府は、新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンの確保に向け、複数国で共同購入する国際的な仕組み「COVAX Facility」への参加を検討する。今月中に正式に決めて表明する。

付記

政府は9月1日、新型コロナウイルスのワクチン供給に向けた国際的な枠組み「COVAXファシリティ」に参加する方針であると発表した。

ホワイトハウスは9月1日、「COVAX」には参加しない方針を明らかにした。

付記

中国外務省は10月9日、「COVAX」に8日に正式に加入したと発表した。「実際の行動でワクチンの公平な分配や発展途上国への供給確保を促進するためだ」と説明した。

習近平国家主席は5月のWHOのオンラインでの総会で、途上国を中心とする国際的な感染対策のために今後2年間で20億ドルを提供すると表明、ワクチンの開発に成功すれば「国際公共財」とする考えも示し ていた。

5月中国の習近平国家主席はWHO総会で演説し、途上国を中心とする国際的な感染対策のために今後2年間で20億ドル(約2100億円)を提供すると表明。ワクチンの開発に成功すれば「国際公共財」とする考えも示した。

COVAXの参加表明の期限だった9月18日までに日本を含む150カ国以上が加わったが、米国やロシア、中国は参加を見送っていた。

「COVAX Facility」はワクチンの普及に取り組む国際機関「Gavi ワクチンアライアンス」(旧:ワクチンと予防接種のための世界同盟)や感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)などがCOVID-19ワクチンの公平な普及のために立ち上げた仕組み。

GAVIアライアンス(ワクチンと予防接種のための世界同盟)は、子どもの予防接種プログラムの拡大を通じて、世界の子どもの命を救い、人々の健康を守ることをミッションとする。
2016-2020年のGaviへの日本の貢献は9,500万ドル。

CEPI (Coalition for Epidemic Preparedness Innovations) は、世界連携でワクチン開発を促進するため、2017年1月ダボス会議において発足した官民連携パートナーシップ。
日本、ノルウェー、ドイツ、英国、オーストラリア、カナダ、ベルギーに加え、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ウェルカム・トラストが拠出


   

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現在COVIDワクチン候補は100以上あり、うち20以上の候補が臨床試験に入っている。 開発に成功するか不透明な中、1カ国で投資するには限界があり、共同購入することで確実な確保をめざす。

CEPIがワクチン開発を支援している9件のワクチン候補(後記)を対象とする。

合計で165か国がCOVAX Facilityに参加を表明している。うち、75か国が自国の公的予算から、また90の低所得国はGAVIへの寄付金によって 、ワクチンを手当てしようとしている。

この共同体に参加することで、すでに個別の供給契約を結んだ候補ワクチンが失敗に終わっても別のワクチン供給を確保することができる。

COVAXの目標は、2021年末までに、規制当局の承認やWHOの事前承認を受けた20億回分の安全で効果的なCOVID-19ワクチンを提供する。各参加国の20%を占める弱者に対して収入レベルに関わらずワクチンの平等な分配を実現しようとするもので、10年前のパンデミックから得た教訓をもとにしている。

COVAX Facilityは、開発途上国の肺炎ワクチン費用を負担するため2009年に発足した。PfizerとGlaxoSmithKlineに10年間で15億米ドルの助成金が拠出された。

これについて国境なき医師団は、肺炎ワクチンの研究開発や開発者間の競争を促進したとは言えず、価格設定の透明性や、必要な量の供給を満たせず、開発途上国が自らワクチンを製造する能力の向上にもつながらなかったと批判している。

現時点で、すでにPfizerから6千万人分の供給を受けることで基本合意し、さらに別の企業とも交渉を進めている。AstraZeneca はCEPIとGaviワクチンアライアンスと提携し ており、3億回分を年末までに引き渡しを開始する。

資金を出して参加する国は一定額を前払い金として支払う。ワクチン開発に取り組む複数の製薬企業の研究開発などに使われ、開発に成功した場合、出資国は人口の20%分を上限にワクチンを確保できる。
途上国はGaviを通じてワクチンの提供を受ける。

日本がこの仕組みに参加する場合、今月中に参加を表明し、国民の20%分のワクチンの価格の15%を前払い金として支払う必要がある。

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EUの関係者は、「COVAX Facility」を利用した場合、ワクチンの事前購入価格は40ドルとなる見通しで、割高だと述べた。

仏製薬大手 Sanofiと英GlaxoSmithKline(GSK)は7月31日、ワクチンについて、米政府が21億ドルを支払い、5000万人分を確保したと明らかにした。2回接種するもので、接種回数にすると1億回分となり、1人当たりの接種費用は約42ドル。

Pfizer とBioNTech も7月22日に米政府にワクチン5000万人分(1億回分)を提供する契約を締結した。19億5000万ドルを受け取る。1人当たり39ドルになる。

国境なき医師団では、製薬企業にワクチン生産コストの全面開示を求め、皆が本当の製造費用を把握できるよう、介入と提言をすべきであるとしている。

「Gavi アライアンス」の事務局長は7月27日、ワクチンの価格について幅広いレンジで検討しており、欧州関係者が指摘した40ドルという価格は一定の価格ではなく、富裕国向けの価格レンジの最高値だと述べた。

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CEPIが開発を支援している9件のワクチンの概要は次の通り。

WHOの最新(7月28日)のワクチン開発状況ではPhaseⅢの準備段階にあるのが6件あるが、これにはAstraZeneca とModernaの2社が含まれる。

Candidate vaccines in clinical evaluation  IM=Intramuscular 筋肉注射 ID=intradermal 皮内注射   

developer/manufacturer platform Type doses Timing Route Phase
Ⅰ/
Inovio Pharmaceuticals/International Vaccine Institute DNA DNA plasmid vaccine with electroporation 2 0, 28days ID
University of Queensland/CSL/Seqirus Protein Subunit Molecular clamp stabilized Spike protein with MF59 adjuvant 2 0, 28days IM
Moderna/NIAID RNA LNP-encapsulated mRNA 2 0, 28 days IM
Curevac RNA mRNA 2 0, 28days IM
Novavax Protein Subunit Full length recombinant SARS CoV-2 glycoprotein nanoparticle vaccine adjuvanted with Matrix M 2 0, 21days IM
University of Oxford/AstraZeneca Non-Replicating Viral Vector ChAdOx1-S 1 IM
University of Hong Kong Replicating Viral Vector Influenza vector expressing RBO Pre-clinic
Institute Pasteur/Themis/ Univ. of Pittsburg/Merck Replicating Viral Vector Measles vector Pre-clinic
Clover Biopharmaceuticals 三叶草生物制药中国)/GSK/Dynavax Protein subunit Native like Trimeric subunit Spike Protein vaccine 2 0, 21 days IM

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