米、Sanofi / GSKからコロナワクチン5000万人分確保

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仏製薬大手 Sanofiと英GlaxoSmithKline(GSK)は7月31日、両社が共同開発している新型コロナウイルスワクチンについて、米政府が21億ドルを支払い、5000万人分を確保したと明らかにした。

米国との供給契約は1人当たり2回接種するもので、接種回数にすると1億回分となる。1人当たりの接種費用は約42ドル。

Pfizer とBioNTech も7月22日に米政府にワクチン5000万人分(1億回分)を提供する契約を締結した19億5000万ドルを受け取る。1人当たり39ドルになる。

SanofiとGSKは7月29日に英政府と最大6000万回分のワクチンを供給する契約を結んでおり、EUとも3億回分の供給の交渉をしている。


付記

Johnson & Johnson は8月5日、ワクチン1億回分を、10億ドル超で米国に提供することで合意したと発表した。米国が追加で2億回分のワクチンを購入する可能性も示唆した。
米政府はワクチンの研究開発や治験などのため、J&Jに4億5600万ドルを拠出している。

同社のワクチンは早ければ9月にも最終段階の治験を開始する見通しで、2021年中に世界で10億回分を供給する目標を掲げている。


米バイオ医薬ベンチャーのModernaは8月11日、ワクチン1億回分の供給で米政府と合意したと発表した。政府は15億2500万ドルを支払う。
政府は追加で4億回分のワクチンの購入権も確保する。

Modernaはこれまでも米政府から同ワクチンの研究開発や治験で支援を受けており、政府拠出は累計で24億8000万ドルとなる。


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WHOは7月28日、最新のワクチン開発状況Draft landscape of COVID-19 candidate vaccineを発表した。PhaseⅢの準備段階にあるのがPfizerを含め 6件あるが、Sanofi / GSKは pre-clinical となっている。

両社は本年9月に臨床試験を開始する。実際に承認を得て、供給を開始するまでに時間がかかると見られる。4月時点では2021年下半期までに実用化できるよう目指すとしていた。

Candidate vaccines in clinical evaluation  IM=Intramuscular 筋肉注射 ID=intradermal 皮内注射

developer/manufacturer platform Type doses Timing Route Phase
1 1/2 2 3
University of Oxford/AstraZeneca Non-Replicating Viral Vector ChAdOx1-S 1 IM
Sinovac(中国) Inactivated Inactivated 2 0, 14 days IM
Wuhan Institute of Biological Products/Sinopharm Inactivated Inactivated 2 0,14 or
0,21 days
IM

Beijing Institute of Biological Products/Sinopharm Inactivated Inactivated 2 0,14 or
0,21 days
IM

Moderna/NIAID米国立アレルギー感染症研究所) RNA LNP-encapsulated mRNA 2 0, 28 days IM
BioNTech(独)/Fosun Pharma(上海復星医薬)/Pfizer RNA 3 LNP-mRNAs 2 0, 28days IM
Sanofi Pasteur/GSK Protein Subunit S protein (baculovirus production) 2

SanofiとGSKは2020年4月14日、両社の技術を活かし、COVID-19に対するアジュバント添加ワクチンを開発すると発表した。

Sanofiは、遺伝子組換えDNA技術をベースとするS-タンパク質COVID-19抗原を提供する。遺伝子組換えDNA技術により、ウイルスの表面に検出されたタンパク質と正確に一致する遺伝子配列を作成することができる。抗原をコード化するDNA配列を、Sanofiが米国で開発に成功し承認された遺伝子組換えインフルエンザワクチンの基盤となったバキュロウイルス発現プラットフォームに組み込む。

GSKは、実証済みのパンデミックアジュバント技術を提供する。アジュバントの使用はパンデミックの状況下では特に重要で、アジュバントを使用することにより、1回の接種に必要なワクチン用タンパク質の量が抑えられるため、ワクチンの生産量を増やすことができる。

両社は6月に、第1/2相試験を2020年9月に開始すると発表している。

Sanofiの遺伝子組換え技術をベースとするCOVID-19ワクチン候補の開発は、米国保健福祉省(HSS)の一部門である米国生物医学先端研究開発局(BARDA)との協力の下で、同局の資金提供を受けて実施された。

SanofiとGSKのワクチンは、米政府が年内にも全国民に相当する3億本のワクチン供給開始を目指す爆速ワクチン計画(Operation Warp Speed)の対象に選ばれている。

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