本取引は、英国、中国、EU及び米国を含む必要な規制当局の承認、その他の一般的なクロージング要件の充足を条件とし、完了までには約18カ月かかると見込んでいる。
Armの事業のうちIoTに関連するサービス事業のInternet-of-Things Services Groupは本取引の対象外で、本取引の完了までにArmから分離される。
SBGは2016年9月に日本企業の海外買収案件としては過去最大の240億英ポンド(310億米ドル)でArmを買収した。
現在、いずれも同社の傘下のSoftBank Group Capital Limitedが75.01%、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが24.99%を所有している。
ソフトバンクは全額出資子会社の英の半導体設計会社 ARM Holdings plc.株のうち、82億ドル分に相当する24.99%をファンドに移し、現金と合わせ総額で280億ドルを拠出、このファンドを自社の連結対象に加え、実質的にグループ内にファンドを抱える形となる。
2017/5/25 ソフトバンクの「10兆円ファンド」発足
当初、Arm単独での再上場を計画していたが、世界で最も普及しているコンピューティングプラットフォームを提供するArmと、AI コンピューティングの第一人者であるNVIDIAの組み合わせが、Armの潜在的な可能性をより実現でき、SBGの株主価値の向上に資すると判断した。
対価の一部はNVIDIA普通株式で支払われ、取引完了後、ソフトバンクグループ全体でNVIDIAの株式の約6.7〜8.1%を保有することとなる。(最終的なアーンアウトの金額により変動)
取引価値は、最大で400億米ドル(約4.2兆円)で、内訳は下記の通り。
時期 支払先 金額 契約時 Arm 現金 20億米ドル クロージング時 現株主2社 現金 100億米ドル
NVIDIA普通株式 215億ドル *1 *2アーンアウト*3 現株主2社 最大50億ドル(株式 or 現金) Armの従業員 NVIDIA株式15億米ドル
*1 NVIDIA普通株式 44,366,423株
*2 うち10億米ドル相当は、現株主2社が負担しうる一定の補償義務履行のためのエスクロー(第三者預託)。
*3 アーンアウト:クロージング後一定の期間において、買収対象とされた事業が特定の目標を達成した場合に支払
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NVIDIA Corporationは、カリフォルニア州サンタクララにある半導体メーカー。1993年に米半導体製造会社のAMD(Advanced Micro Devices)を辞職したJen-Hsun Huang氏(社長兼CEO)等によって設立された。
コンピュータのグラフィックス処理や演算処理の高速化を主な目的とするGPU(Graphics Processing Unit)を開発し販売する。
デスクトップパソコンやノートパソコン向けのGPUであるGeForce
プロフェッショナル向けでワークステーションに搭載されるQuadroやNVS
スーパーコンピュータ向けの演算専用プロセッサであるTesla
携帯電話やスマートフォン・タブレット端末向けのSoC(システム・オン・チップ)であるTegra
また近年は、自動運転技術の開発にも力を入れている。
NVIDIAはかねてArmと取引関係にあり、「ニンテンドースイッチ」向けのプロセッサー (Tegra)など多くの半導体の開発にArmの設計技術を使っている。
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