愛知の藤田医科大学、米企業が開発中の新型コロナウイルスワクチンの臨床試験へ

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愛知県豊明市の藤田医科大学は9月1日、米国のElixirgen Therapeutics, Inc.が開発中の新型コロナウイルスに対するワクチンの臨床試験を来年初めにも開始すると発表した。

Elixirgen Therapeuticsは6月4日、同社が開発中のCOVID-19ワクチン候補EXG-5003について、5月18日にFDAとpre-IND meetingを終えたと発表した。

EXG-5003は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメインを発現する温度感受性の皮内注射されたsrRNA(自己複製RNA)ワクチンである。皮内注射とsrRNA技術の両方を使用すると、免疫原性が向上する可能性がある。さらに、EXG-5003の斬新で独自の温度感受性は、ワクチンの安全性プロファイルを大幅に高める。

既に臨床試験が進んでいる各種RNAワクチンの技術を基盤としつつ温度に依存した自己複製能力を兼ね備える、新規の皮内投与ワクチンである。

lixirgen Therapeuticsでは、EXG-5003の前臨床試験を進めると共に、臨床試験に用いるためのワクチン製剤の製造準備を行っている。これらの過程の全てで安全性が確認されれば、2021年第1四半期に被検者へのワクチン投与を開始する

藤田医科大学では、健康成人を対象としたEXG-5003二重盲検プラセボ対照第I/II相臨床試験行なう。まず低用量より開始し、安全性が確認され次第次の用量に進む用量漸増コホートデザインにより安全性に最大限配慮する。

本試験により、EXG-5003の安全性と免疫原性を確立し、第III相臨床試験(企業治験)に繋げることを目指す。

EXG-5003最初治験を藤田医科大学で開始することを契機として、ワクチンの日本での優先的な開発との準備を進めている。

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Elixirgen Therapeutics, Inc.は、慶應義塾大学洪実教授が米国NIH時代に発見した遺伝子ZSCAN4の臨床応用のため、2017年にBaltimore市のJohns Hopkins大学内のScience and Technology Park に設立した。

幹細胞技術に焦点を当てたバイオテクノロジー企業で、ヒトiPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)をさまざまな細胞へ1週間程度での高速な分化誘導が可能なQuick-Tissue™技術を用いた幹細胞分化試薬キット、分化済み凍結細胞、及び分化サービスを提供する。Quick-Tissue™技術の一部は2012年から洪実教授が働く慶應義塾大学よりライセンスされたもの。

Elixirgen Therapeutics, Inc. はElixirgen, LLC の子会社。

Elixirgen, LLC 2012年に幹細胞を用いた疾患治療を目指してJohns Hopkins Science and Technology Park設立された。

子会社として、ヒトiPS/ES細胞1週間程度の短期間で運動神経、ドーパミン神経、骨格筋細胞などへ分化誘導する試薬キットの販売を行うElixirgen Scientific, LLC
遺伝子治療製剤の開発を行う
ElixirgenTherapeutic, LLC設立し、事業を拡大している。

Elixirgen Therapeutics, Inc.のCEOは共同創業者のAkihiro Ko で、Minoru Ko は慶応義塾大学教授と同社のChief Scientific Officer を兼務している。

Minoru Ko(洪実)は1998.9 ~ 2011.12に米国国立衛生研究所 国立老化研究所の主任研究員(終身在職権)部長(発生老化ゲノム学部門)で、2012.2から 慶応義塾大学医学部坂口記念システム医学講座 教授

Akihiro Ko は写真からみて、洪実教授の息子さんかと見られる。

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日本では、アンジェスが625日に、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、大阪市立大学医学部付属病院で治験を行うと発表した。

2020/6/26 アンジェスのコロナワクチン、大阪市大病院で治験へ  


Johnson & Johnsonの子会社Janssen Pharmaceutical の日本法人は9月1日、Janssenが開発中の新型コロナウイルスワクチン候補 Ad26.COV2.Sを用いた第1相の臨床試験(治験)を日本で開始したと発表した。

20歳から55歳までの健康な成人および65歳以上の高齢者の合計250名を対象とし、接種による安全性、反応原性(腫脹や疼痛など、ワクチン接種に対して予期される反応)、免疫原性の評価を行う。

Ad26.COV2.Sは、風邪のウイルスの一種であるアデノウイルスの血清型26(Ad26)を使用した組換体ベクターワクチン。

非増殖型アデノウイルス26をベクターとして、新型コロナウイルスに特徴的なスパイクタンパク質の遺伝子情報を組み込み、接種後に体内の免疫系を刺激して新型コロナウイルスに対する抗体を作り出す。

これは、新規ワクチン候補の迅速な開発と最適なワクチン候補の大量生産を可能にするヤンセンのAdVac®技術を活用している。

国内での新型コロナワクチンの治験入りはアンジェスに次いで2例目。

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