WTO事務局長選挙

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WTOは9月18日、事務局長候補者8人のうち5人を第1次として選出したことを明らかにした。

韓国の兪明希・産業通商部通商交渉本部長も含まれている。

WTOは9月7-16日に164の各加盟国に1-4人の候補者を選ばせ、最も支持が低かった3カ国(メキシコ、モルドバ、エジプト)の候補者を脱落させた。
5人のうち2人を選ぶ2次ラウンドは24日から来月6日にかけて行われる。


Roberto Azevêdo
WTO事務局長は5月14日、2020年8月末で退任することを発表した。
Azevêdo
事務局長は2013年9月に着任し、現在2期目(任期は2021年8月まで)の後半に差し掛かっていた。

任期満了を待たずに退任するのはWTOでは初で、同氏は9月1日にPepsiCoの副社長兼最高企業行動責任者(Chief Corporate Affairs Officer)に就任した

次期事務局長の候補は下記の通り。

現職・前歴 1次
Dr Jesús Seade Kuri Mexico 男性 外務次官、WTO事務次長
Dr Ngozi Okonjo-Iweala Nigeria 女性 財務相、外相、世銀副総裁
Abdel-Hamid Mamdouh Egypt 男性 弁護士、WTOサービス部長
Tudor Ulianovschi Moldova 男性 外相、WTO大使
Yoo Myung-hee  兪明希 Korea 女性 産業通商部通商交渉本部長
Amina C. Mohamed Kenya 女性 スポーツ・文化相、外相
Mohammad Maziad Al-Tuwaijri Saudi Arabia 男性 王室顧問(閣僚級)
Dr Liam Fox UK 男性 貿易相、国防相


メキシコのSeade氏はWTO事務次長を務めた重鎮だが、経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長がメキシコ出身のため、国際機関トップを一国が独占することに異論があった。

中国はアフリカの候補者を支持している。米国は英国の候補者を支持するとの見方がある。
EUは第1次ラウンドで韓国、ケニア、エジプト、ナイジェリアの候補者を支持すると表明し、英国を排除した。

韓国の兪本部長については、当選すれば、輸出管理の強化など韓日の貿易紛争でWTOが日本に不利な判断をする可能性があるというメディアの報道がある。

これに対し、同氏は共同通信のインタビューで次のように述べた。

日本による韓国への輸出規制の強化措置をめぐる問題と、WTOの次期事務局長選挙は無関係だ。公平と公正性にもとづいて加盟国の利益を代弁する役割を忠実に果たす。

韓国と日本は、自由貿易と多角的体制の必要性について同じ立場をとっている。WTO事務局長は特定国を代表する立場ではない。

韓国と日本は緊密な交流と活発な貿易、投資にもとづいてともに成長してきた東アジアの協力パートナーだ。韓日関係で浮き沈みはあったものの、両国間で対話の扉は開かれている。

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