小野薬品工業は10月13日、韓国 SK Biopharmaceuticalsの抗てんかん薬であるCenobamateを日本において独占的に開発および商業化するライセンス契約を締結した。
SK Biopharmaceuticals は韓国のSKグループの一員。同社とその米国子会社であるSKLife Scienceは、 中枢神経系(CNS)疾患の治療薬の研究、開発および商業化に注力するグローバル製薬企業で、両社は、てんかんを含むCNS疾患の治療薬として8つの開発化合物で構成されるパイプラインを有している。また、SK Biopharmaceuticals はがん領域の早期研究にも注力してる。
Cenobamateは、SK BiopharmaceuticalsとSK life Scienceが発見し、成人患者の部分発作(「焦点発作」)の治療薬としての可能性が研究されている。
てんかんは、突然、脳が興奮しててんかん発作が起きる病気で、手足がひきつったり、意識がなくなるなど、さまざまな症状が起こる。
てんかん発作は大きく分けると、全般発作と部分発作(焦点発作)に分けられる。日本では、約100万人の患者がいると言われている。てんかん患者の大部分が長期的な薬物療法を必要とするが、既存の抗てんかん薬を使用しても、約30%の患者がてんかん発作を十分にコントロールできていないとの報告がある。
Cenobamateの作用機序は完全には分かっていないが、電位依存性ナトリウム電流を阻害することにより、反復的な神経発火を減らすと考えられている。また、γアミノ酪酸 A型(GABAA)イオンチャネルの正の調節作用がある。
臨床試験で一部のてんかん患者から発作が完全に消える効果が立証された。
2019年11月22日にFDAから「成人におけるてんかん部分発作」の適応で製造販売承認され、2020年5月にXCOPRI®(Cenobamate錠)の商品名で販売した。
SK Biopharmaceuticalsは2019年2月に、欧州におけるCenobamateの開発および商業化の独占的ライセンス契約をスイスのArvelle Therapeuticsと締結した。1億ドルの前払い金と、最大4億3000万ドルの目標達成報奨金を受け取る。
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小野薬品は、日本において独占的にCenobamateを開発および商業化する権利を取得する。
SK Biopharmaceuticalsは、成人てんかん部分発作に関しては、日本においてもCenobamateの第III相臨床試験を自ら実施する。(韓国、中国、日本で大規模な第3相臨床試験を実施している。)
SK Biopharmaceuticalsはまた、日本において小野薬品と共同でCenobamateを販売促進するオプション権を留保している。
契約一時金として50億円、申請 / 承認時および売上高に応じたマイルストンとして最大481億円を支払う。また、日本におけるCenobamateの売上高に応じた2桁台の料率のロイヤルティを支払う。
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