ドイツ与党CDU、新型コロナで新党首選出を延期、メルケル後継は誰?

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ドイツのメルケル首相が所属する与党・キリスト教民主同盟(CDU)は12月の党大会を中止し、党首選出を延期した。新型コロナウイルスの感染が拡大していることを理由に、最高幹部が10月26日、ベルリンの会合で合意した。1月15日に状況を再度分析するという。

CDUは2月から党首不在のままで、2021年に引退を表明している メルケル首相の後継者が決まらない。

メルケル首相は2018年10月末に、自らが党首のCDUが独ヘッセン州議会選でも敗北、連敗した責任をとり、党首を退任する考えを表明した。
2021年の任期切れまでは首相にとどまり、その後 政界を引退する意向を示した。

CDUは2018年12月7日、党首辞任を表明したメルケル首相の後任の次期党首を選ぶ選挙を行い、決選投票の結果、党幹事長のAnnegret Kramp-Karrenbauer 女史を選出した。
当時は
「ミニ・メルケル」として次期首相筆頭候補と見なされて、メルケルが2021年の首相任期満了を待たず に首相ポストを譲る可能性もあるとされた。

しかし、CDUの Kramp-Karrenbauer 党首は2020年2月10日、次期首相候補となることを断念し、党首も辞任する意向を固めた。後任首相選びは白紙に戻った。

党首就任から1年あまりが経過し、政治的な失言や選挙での相次ぐ敗北で求心力を大きく失っていた。
就任以降、指導力を発揮できず、直前には旧東ドイツのテューリンゲン州支部が党中央部の指示を無視して極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と連携し、同氏に屈辱を与えた。


CDUは2月24日、新しい党首を決める臨時党大会を4月25日に開くと決めた。当初は12月の党大会で新党首を選ぶ予定だったが、権力の空白が生じるとの批判が強まり、前倒しを余儀なくされた。

しかし、新型コロナウイルスへの感染がドイツでも拡大しているため、CDUは3月12日に、4月25日に予定していた臨時党大会の開催を延期すると発表した。感染が収まり次第、開催する とした。

その後もCOVID-19は拡大を続けており、今回、12月の党大会も中止し、新党首選出を延期した。

ドイツは連邦議会選挙を遅くとも2021年秋には実施するが、CDUの新党首は来年の総選挙を経て次期首相に就任する公算が大きいとみられている。

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キリスト教民主同盟 (CDU) と地方政党であるキリスト教社会同盟 (CSU) は国政ではキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)として連立しているが、前回の選挙の結果、ドイツ社会民主党(SPD)とも連立することが必要となった。

下院の勢力図は下記の通り。(2017/9/24 選挙結果)

キリスト教民主同盟 (CDU) 246 連立与党

399

キリスト教社会同盟 (CSU)
ドイツ社会民主党(SPD) 153
緑の党 67 310
自由民主党(FDP) 80
ドイツのための選択肢(AID) 92
左派党 69
無所属 2
合計 709

2018/2/12 ドイツ連立交渉合意


ドイツ社会民主党(SPD)は2019年11月30日、次の党首を決める決選投票で連立懐疑派のNorbert Walter-Borjans(州の元財務相)とSaskia Esken下院議員のペアが53.1%の得票で勝利したと発表した。

2019/12/4 メルケル政権ピンチ、連立与党党首に連立懐疑派が当選

SPDは2019年 12月6日に開かれた定期党大会で二人を正式に共同党首に選出、大連立に留まる方針も決定された。

SPDは2020年8月10日、Olaf Scholz財務相を次期首相候補に指名した。同氏はCDU・CSUと合意した連立を今後も維持していく意向を示した。



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