ENEOS、愛知・知多製造所停止へ 千葉製油所での中国石油との合弁事業継続で最終合意

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ENEOSホールディングスは10月27日、パラキシレンなどの石油化学製品を手がける知多製造所の製造を2021年10月をめどに停止すると発表した。製油所・製造所の再編を進める一環。

JXは2020年6月の株主総会で Eneosに改称した。

同製造所は1973年に製油所として操業を始めた。2001年に原油処理設備を休止し、現在は石油化学製品の基礎原料の生産に特化している。

製造停止後は設備の一部を、近隣に拠点を構える出光興産に譲渡することを検討しており、同社と協議を始めたことも明らかにした。

同社のパラキシレンの生産能力は国内で3,182千トン、韓国を含め3,682千トンで、知多は国内最大級で年間40万トン生産している。

パラキシレンは中国を中心に供給設備が過剰に稼働し、市況が低迷している。知多の生産の9割以上は中国、韓国、台湾などに輸出しており、「構造的に赤字になる」との判断から停止を決めた。

パラキシレン 能力 (千トン)

出光興産 479
鹿島石油 178 ENEOS、三菱ケミカル、JERA
鹿島アロマテックス 522 ENEOS、三菱ケミカル、三菱商事
ENEOSエネルギー 2,162  うち知多 400
水島パラキシレン 320 ENEOS、三菱ガス化学
(Eneos 合計) (3,182) -400 (知多)
日本合計 3,661
韓国 Ulsan Aromatics 500/1,000 ENEOS 50%, SK 50%
Eneos 再計 3,682 -400 (知多)


2014/4/30 JXエネルギーとSK総合化学のパラキシレンJV


ENEOSは2020年9月25日、中国石油国際事業傘下の中国石油国際事業日本とのJVの大阪国際石油精製が運営する製油所を、12月に現在の大阪製油所から千葉製油所に変更し、合弁事業を継続することについて最終合意に至ったと発表した。

大阪国際石油精製(ENEOS 51% 中国石油国際事業日本 49%)は、2010年10月に設立。

下記の通りとなる。

大阪精油所:(原油処理能力115千BD)

ENEOSが大阪国際石油精製から取得、2020年10月に精製機能を停止、アスファルト発電設備へ

千葉製油所:(原油処理能力129千BD)

大阪国際石油精製がENEOSから取得

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JXTGエネルギーは2019年7月23日、大阪製油所 の精製機能を2020年10月を目途に停止し、アスファルト発電設備を運営する事業所として再構築することを決定したと発表した。

同社は石油業界を取り巻く厳しい環境を踏まえさらなる競争力強化を図るべく、製油所・製造所の最適生産・供給体制について様々な検討を行ってきた。2019年4月に「室蘭製造所の事業所化」および「川崎製油所と川崎製造所の組織一体化実行し たが、今般、大阪製油所精製機能停止必要であるとの結論に至った。

2017/10/5 JXTG、室蘭の化学品工場を閉鎖、物流拠点に転換

大阪精油所は現在、PetroChinaとのJV 大阪国際石油精製の工場である。

大阪国際石油精製運営する製油所を現在の大阪製油所から千葉製油所に変更の上、協業継続の検討を進める事について、中国石油国際事業日本と基本合意書を締結した 。

2019/7/26 JXTG エネルギー、生産・供給体制の再構築 

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