米シェール各社、業績悪化に悩む Oasis PetroleumがChapter 11 申請

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石油価格の下落と、COVID-19 による旅行の減少での需要減少により、米国のシェール各社は業績悪化に悩んでいる。

シェール企業の多くは、2008年の金融危機後の低金利を背景に、借金でコストを賄ってきたため、財務基盤が弱い。
生産縮小に追い込まれると、資金繰りが悪化するケースが相次いでいる。

最近は1バレル=40ドル前後まで回復したが、新規油井の採算ラインは50ドル前後とされ、各社の業績は軒並み悪化している。


今回のコロナ禍の影響で本年、既に57社が破綻した。「現在の原油価格が続けば2022年末までにシェール企業はさらに150社破綻する可能性がある」との予測が出ている。

Oasis Petroleum Incは9月30日、Chapter 11 を申請した。大手ではChesapeakeに次ぐ2社目である。

同社は9月18日に、金利支払いの30日延期を発表した。その間に財務強化のための努力を行うとしていた。

「歴史的に低いグローバルなエネルギー需要、コモディティ価格により、Chapter 11申請がベストな方法と考えた」としている。

米シェール開発大手のChesapeake Energyは6月28日、Chapter 11に基づく会社更生手続きをテキサス州南部地区の連邦破産裁判所に申請したと発表した。

2020/6/30 米シェール大手のChesapeake Energy、Chapter 11 申請




買収や合併も相次ぐ。(但し、
破綻した企業が有する資産の買い取り手がほとんどいない。)

米国石油大手 Chevronは7月20日、独立系石油ガス開発企業のNoble Energy, Inc.を買収すると発表した。

今回の買収は、Chevronが Nobleの全株式取引額の50億ドル相当を買い取る株式交換方式で行う。

Nobleの企業価値は130億ドルとされているが、同社の負債額は87.4億ドルに及ぶため、Chevronは50億ドルで買収し、債務を引き次ぐ。

Chevronはこの買収で、コロラド州のデンバー/ジュレスバーグ盆地、テキサス州とニューメキシコ州にまたがるパーミアン盆地の油田・ガス田を獲得する。

シェール大手のDevon Energyは9月28日、同業のWPX Energyと合併すると発表した。

合併により財務基盤を強化して生産コストを下げる。

WPXの全株式をDevon株に交換し、2021年3月末までに合併手続きを完了する。

両社を合わせた石油生産量は日量約28万バレルとなる。主要鉱区パーミアンで生産設備や人員配置を効率化し、5年間で計20億ドルのコスト削減を見込む。

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