レバノンの国民議会議長は10月1日、対立するイスラエルと海洋境界の交渉を開始することで合意したと発表した。
国交のない両国間の直接の政治協議は過去30年で初めて。トランプ米政権が仲介した3年にわたる間接的な接触を通してまとまった。
米政権はイスラエルとアラブの関係正常化を仲介している。
8月13日にイスラエルとUAE、9月11日にイスラエルとバーレーンが国交正常化した。1979年のエジプト、1994年のヨルダンに次いで4か国目で、11月の大統領選に向け実績としてアピールする狙いがある。
付記
米ホワイトハウスは10月23日、イスラエルとスーダンが国交正常化に合意したと発表した。トランプ米政権の仲介でイスラエルと和平合意した3カ国目のアラブ諸国となる。
両国沖の東地中海には天然ガス資源があり、ガス田権益についても交渉が必要となる。
経済の苦境にあえぐレバノンは東地中海の天然ガス開発を急いでおり、境界が画定できれば事業化に一歩近づく。
レバノンとイスラエルは近く、国連も加わる形でレバノン南部ナクラで交渉を開始する。 米国は今後も、協議の調停役などを務めるという。
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レバノンは2018年、地中海沖合のBlock 4とBlock9の2鉱区の開発へ向け、仏 Total、イタリア炭化水素公社(ENI)、ロシアのNovatek の企業連合と契約を結んだ。
このうちBlock 9 の鉱区の一部はイスラエルも権利を主張しており、掘削に着手できずにいる。
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