韓国科学技術院、人体に無害な「新型コロナ殺菌スプレー」開発

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韓国科学技術院(KAIST) は10月14日、「研究チームがOHラジカルを含有する超微細な水滴を大量に作り出せる静電噴霧技術を開発した」と発表した。

新型コロナウイルスを除去できる殺菌スプレーはすでに市場に出回っているが、殺菌物質は人体にも害を及ぼすことから、人体以外のモノの表面にのみ散布する用途で使用されている。

今回、人体に無害で、新型コロナウイルスウイルスを殺菌できる殺菌スプレーの大量生産技術を開発した。年内の技術移転を通じて商用化を急ぐとしている。

使用するのは「ヒドロキシル(OH) ラジカル」で、オゾンや塩素よりも殺菌力が強い一方で、人体には全く害を及ぼさない天然物質である。しかし空気中では化学反応が活発に起こり、すぐ他の物質に変化してしまうことから、これまでは使用が難しいとされてきた。

チームはポリマー材質でマイクロメートル(100万分の1メートル)サイズの超微細ノズルを開発した。このノズルを使えば、ヒドロキシル・ラジカルを非常に小さい水滴の中に入れて 静電噴霧することができる。

水滴とヒドロキシル・ラジカルの組み合わせを大量かつ安全に製造する技術は今回初めて開発されたという。

KAISTでは「この技術を活用し、20センチサイズの新型コロナウイルス殺菌用スプレーと、それよりもさらに大きい空気清浄機を開発中で、早ければ年内に技術移転を行い、商用化する計画」と説明した。
ノズルを大量生産できる工程も同時に開発を進めるなど、大量生産に向けた技術は準備されているので、早期の商用化が可能と説明している。

下記の通り、日本のパナソニックが同じような技術を開発しているが、研究チームによると、 パナソニックの現在の方法は空気中の水分を冷たい金属チップ上に結露させて静電噴霧する方式で、作られる水滴の量が少ない。また、その過程で人体に害を及ぼすオゾンが発生するという。


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パナソニックは7月31日、大阪府立大学と共同で「ヒドロキシル(OH) ラジカル」の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抑制効果を確認したと発表した。

パナソニックの帯電微粒子水生成技術は、空気中の目に見えない水分を冷却して結露させ、高電圧を加え、ナノサイズの水粒子を生み出す技術で、この水粒子は電気を帯びているため帯電微粒子水 (「ナノイー」)と呼ばれる。様々な物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)を含んでおり、ウイルス・菌の抑制や脱臭に効果を発揮する。

エアコン、空気清浄機をはじめ、洗濯機、冷蔵庫、美容家電などに幅広く採用されている。

霧化電極をペルチェ素子で冷却し、空気中の水分を結露させて水をつくり、霧化電極と向きあう対極板の間に高電圧を印加することで、OHラジカルを含んだ、約5~20nmの大きさの「ナノイー」が発生する。

当初は放射線状に分散して放電していたが、最新技術では一点に集中して放電することで、広いプラズマ領域を形成し、従来の10倍のOHラジカル「ナノイーX」を生成する。


一般的にOHラジカルは、他の分子と結合しやすく長持ちしないといわれてい るが、帯電微粒子水生成技術によって生まれたOHラジカルは水に包み込まれているため寿命が長く、その分、効果は広範囲に及ぶことも確認されている。

同社は、1997年に研究を開始して以来、20年以上にわたって帯電微粒子水技術の研究に取り組み、人体へ悪影響を及ぼす病原微生物(細菌、真菌、ウイルス)やアレルゲンの抑制、PM2.5含有成分の分解など、さまざまな効果を確認してきた。

ウイルスに関しては、2012年に第三者機関とともにウイルスクリアランス試験を実施し、生物学的特性で4つに分類したそれぞれで抑制効果が確認できたことから、未知のウイルスに対しても帯電微粒子水の抑制効果が期待できると発表している。

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)については、改めて大阪府立大学と共に試験を行った結果、帯電微粒子水による抑制効果があることを確認した。
なお、今回の確認は密閉した試験空間で実施したものであり、実使用空間における確認ではない。

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