富士フィルム富山化学、アビガンの中国展開で安徽康瓴薬業と提携

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富士フィルム富山化学は10月22日、「アビガン®錠」の中国展開に向けて、上海の安徽康瓴薬業有限公司(Carelink Pharmaceutical )をパートナー企業に選定したと発表した。

輸入医薬品承認の申請代理権を独占的に与える覚書を締結した。「アビガン」の非臨床・臨床データ(対象:インフルエンザ・COVID-19)などを活用して、輸入医薬品承認に向けた申請業務を行う計画で、これにより「アビガン」の中国市場への導入を目指す。

また富士フイルム富山化学は、「アビガン」による治療選択肢を広げるため、Carelink社と共同で注射剤の開発を行う。

Carelink社は、中国のみならず世界へ高品質な医薬品を幅広く提供するため、日本・アジア・欧米などのグローバル経験が豊富な人材、多くの臨床開発ノウハウ・実績などを生かして、積極的に新薬開発などに取り組んでいる。

現在、生活習慣病から感染症に開発領域を広げ、抗ウイルス薬の開発を進めている。また、国内外のパートナー企業と連携して、欧米で承認された医薬品の輸入医薬品承認の申請業務、臨床開発も推進している。


なお
中国では、アビガンの製法特許そのものは既に切れており、
海正薬業が本年2月に中国当局から生産認可を取得し、2月16日から「法維拉韋(ファビピラビル)」の商品名で生産を始めた。

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アビガン(ファビピラビル)は富士フイルム傘下の富山化学工業(当時)の古田要介氏によって1998年に発見された。

富山化学工業は2014年3月24日、日本で錠剤タイプの新しい抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠200mg」の製造販売承認を取得した。

「アビガン®錠200mg」の承認には厳しい条件がついている。

動物実験で「初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと」。

日本人を対象にした薬物動態試験と追加臨床試験結果を医薬品医療機器総合機構に提出し、成績が確認されるまでは「原則製造禁止」 。
 (申請に用いたのが米国の試験結果で、日本人を対象にしたものがなかった。)
 但し、パンデミック時など厚労相が「要請」した際は製造できる。

富士フイルム富山化学は、本年3月、非重篤な肺炎を有するCOVID-19患者を対象に「アビガン」の臨床第Ⅲ相試験を日本で開始、有効性・安全性を確認できたことから、10月16日にCOVID-19に係る効能・効果、用法・用量を追加する「アビガン」の製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。現在、承認待ちの段階である。

富士フイルムは7月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬の海外展開に向けて、インド大手製薬企業 Dr. Reddy's Laboratories およびUAEの世界的な医療物資・医薬品提供会社Global Response Aid と提携すると発表した。

富士フイルム富山化学、Dr. Reddy's Laboratories Global Response Aid の3社間で、「アビガン®錠」の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結した。

富士フイルム富山化学は両社に対して海外(中国・ロシアを除く)での「アビガン」の開発権・製造権・販売権(製造権はDr. Reddy's Laboratorieのみ)などを独占的に付与するとともに、2社より契約一時金や販売ロイヤリティを受領する。

2020/7/2 富士フィルム、「アビガン®錠」の開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結 



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