AstraZenecaのワクチン、有効性70%

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英のAstraZenecaとOxford大学は11月23日、ワクチンAZD1222の「有効性は70%」とする最終の臨床試験の暫定結果を発表した。
1回目に通常の半分の量を、1カ月の間隔を置いて、2回目に通常の量を投与したグループ
だと90%で効果があった。

Pfizer とBioNTech のワクチンBNT162b2 は95%の予防効果が確認できた。
米 Modernaも最終治験で94.5%の効果を確認した。

今回公表されたのは英国とブラジルで行った約2万3000人分の治験結果で、日本を含む多くの国でも治験を行っている。

1回目に通常の半分の量を、1カ月の間隔を置いて、2回目に通常の量を投与したグループ(n=2,741) と90%で効果があった。
通常の量を、少なくとも1カ月の間隔を置いて、2回投与したグループ
(n=8,895) だと病気の予防効果は62%だった。

付記

AstraZenecaは11月26日、追加の臨床試験(治験)を行うことを明らかにした。投与量が想定よりも少ないケースの方が効果が高かったためで、有効性や望ましい投与方法を再確認する。

なお、90%の効果があった分は、1回目に定量を与える筈が、誤って通常の半分の量を与えてしまったものと判明した。

2種類の投与方式を合わせた分析(n=11,636) では平均70%だった。いずれの結果も統計的に有意 (p<=0.0001) だとしている。

ワクチンに関連した重症例は確認されなかった。

データは世界中の規制当局に提出 する準備を行う。低所得諸国での利用のため、WHOに緊急使用リスト掲載Emergency Use Listing)を求める。

このワクチンは2~8度という通常の冷蔵施設の温度で保管できるメリットがある。(Pfizerワクチンは-70℃ 前後で保存する必要がある)

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ワクチンはOxford UniversityのJenner Instituteが開発したAZD1222。当初名はChAdOx1で、Chimpanzee Adenovirus Oxford 1の略語である。

チンパンジーに感染する風邪のアデノウイルスが人間の体内で増殖できないように、複製能を欠損させた改変ウイルスを作る。
そこに、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)粒子の表面に存在するスパイクタンパクの遺伝子を組み込む。

2020/5/22 アストラゼネカ、新型コロナウイルスのワクチン 9月に供給へ 

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日本政府は1億2千万回分の供給を受けることで基本合意している。2021年の1~3月にまず3千万回分が供給される。
(当初1回接種とされていたが、上記の報告から2回接種となり、6000万人分となる。)

JCRファーマ(旧日本ケミカルリサーチ)での原液製造と海外からの原液輸入で、これら原液は、第一三共、第一三共バイオテック、Meiji Seikaファルマ、KMバイオロジックスで製剤化される。

2020/6/27 政府、新型コロナワクチン供給でAstraZenecaと協議





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