JX金属、チリのカセロネス銅鉱山の全権益取得

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JX金属は11月9日、チリのカセロネス銅鉱山(Caserones Copper Mine)の共同出資者である三井金属鉱業及び三井物産から、両社保有の全てのカセロネス銅鉱山権益(三井金属:25.87%、三井物産22.63%)を譲り受けることについて基本合意した。2020年度末を目途に 譲り受ける。

3社共同で事業運営を行ってきた。現在までに生産は安定化し、収益性が確保できる状況となったため、今後、さらなる生産量増大に向けた新たな段階に入ろうとしているが、三井金属は他事業への経営資源投入を優先することとし、三井物産は金属資源事業ポートフォリオを見直すこととしたため、今後は、JX金属がカセロネス銅鉱山の経営を担うこととし たもの。

同鉱山で採掘する銅は日本全体の輸入量の約1割で、2019年度の銅生産量は12万6千トンだった。

JX金属では、高品位でクリーンなカセロネス鉱の価値が高まっており、今後、IoTを活用した自動化の推進などの投資を進めるとともに、相当量の埋蔵鉱量が見込める同鉱山周辺領域における探鉱活動などを一層強化し、生産量の維持・拡大、山命の延長などに取り組むとしている。

なお、権益の売却に当たり、三井金属は200億円、三井物産は約70億円の減損損失を計上する。

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JX日鉱日石金属と三井金属鉱業は2000年10月、銅精鉱の購入と電気銅、硫酸、貴金属、その他銅製錬副産物の製造委託及び販売 を目的にPan Pacific Copper を設立した。(JX日鉱日石金属 66%、三井金属鉱業 34%) これは今後も存続する。

2006年5月にPan Pacific CopperがCaserones Copper Mineの権益100%を取得した。


  1. 生産期間:2013年~2040年(28年間)
  2. 生産量(見込み):
    (当初10年間平均)  
      銅:銅精鉱(銅量)約15万トン/年、電気銅約3万トン/年計約18万トン/年
      モリブデン:約3千トン/年
    (28 年平均)
      銅:銅精鉱(銅量)約11万トン/年、電気銅約 1万トン/年計約12万トン/年
      モリブデン:約3千トン/年

3. 開発投資額(概算):約20億米ドル(生産設備等初期投資額)

鉱床付近の標高は4,200m~4,600m。


2010年に三井物産がカセロネス銅鉱山事業に参加した。

運営会社のMinera Lumina Copperは、パンパシフィック・カッパー 77.37% 、三井物産 22.63%となる。

2013年3月から電気銅を、2014年5月から銅精鉱の生産を開始、2014年8月に安倍首相も出席し開所式を行なった。

その後、一部工程で操業が不安定となり生産コストが上昇 、銅価格下落もあり、2016年3月期に各社は減損損失を計上している。

JX金属は約800億円、三井金属は193億円、三井物産250億円

JX金属と三井金属は2020年4月、Pan Pacific Copperのカセロネス銅鉱山事業を新設のNippon Caserones Resources (JX金属 67.8%、三井金属鉱業 32.2%)に移管した。

カセロネス銅鉱山事業はNippon Caserones Resourcesと三井物産の共同事業となる。

今回、 カセロネス銅鉱山事業はJX金属の事業となる。

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