Pfizer、新型コロナワクチンのEUP申請;予防接種法改正案 衆院通過

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Pfizer とBioNTech は11月20日、新型コロナウイルスのmRNA ワクチン BNT162b2 について、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可(EUA)を申請した。

FDAは治験データを入念に検査する諮問委会合を12月10日に開催する。承認されれば年内にも実用化される見通し で、最初の接種対象者は米疾病対策センター(CDC)が決めるが、まず医療関係者や高齢者に限定するとみられる。

日本や豪州、カナダ、欧州、英国その他でも申請を準備している。

第3相試験は7月27日に開始され、4万3661人が参加した。うち4万1135人が11月13日時点で2回目の接種を受け、その1週間後には170人が発症した。 そのうち、ワクチン接種組は8人で、プラセボ(偽薬)組は162人であった。重症化した10人のうちワクチン接種組は1人だけ。

BNT162b2 は95%の予防効果が確認できた。65歳以上の高齢者でも有効性は94%である。
グレード3(重症または医学的に重大だが、直ちに生命を脅かすものではない)で頻度が2%を超えたのは倦怠感3.8%と頭痛2%のみ。

接種から2カ月以上の経過観察でも重大な副作用は出ていない。

11月9日に、第3相臨床試験のデータを中間解析したところ、90%以上の有効性を示したと発表している。
11月18日に最終分析で95%の確率で有効性が示されたと発表した。

米国とベルギーの計4拠点でワクチンを製造する。BioNTechの製造分と合わせて、 2020年中に世界で50百万回分の、2021年末までに13億回分の生産を行う。(1人2回接種)

許可を得られ次第、数時間内にワクチンの供給体制を整える。

ワクチンは-70℃ 前後で保存する必要があるため、同社は専用の全地球測位システム(GPS)付き保冷容器を用意し、輸送に万全を期す。

日本政府はPfizerと1億2000万回分(6千万人分)のワクチン供給で合意している。日本への供給分は空輸される見込みで、到着後の流通方法については日本当局と今後調整する。

厚生労働省は医療機関向けに超低温冷凍庫3000台を確保し、集団接種も念頭に準備を進める。


新型コロナウイルスワクチンの臨時接種を無料とすることを盛り込んだ予防接種法などの改正案が11月19日の衆院本会議で全会一致で可決され、参院に送付された。

 ワクチン接種を国民の努力義務とする。(接種勧奨を実施 、接種を受ける努力義務)
 
有効性や安全性が十分に確認できない場合は、努力義務を適用しない規定も盛り込んだ。
  なお、「努力義務」は違反しても罰則はない。

予防接種法は、かつて「予防接種を受けなければならない」とする義務規定を設けていたが、健康被害の発生などを受け、1994年の改正により努力義務規定となった。

 新型コロナワクチンの臨時接種は市町村が実施し、国が費用を全額負担する。

 健康被害が出た場合の救済措置も整え、製薬会社に生じる損害賠償は国が肩代わりする。



新型コロナワクチンでは米 Modernaも最終治験で94.5%の効果を確認したとする暫定結果を公表した。同社も近くFDAに緊急使用許可を申請する予定。

参考 COVID-19 ワクチンの 開発状況(WHO 2020/11/12)

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英医薬品・医療製品規制庁(MHRA) は10月にPfizerのワクチン候補について「逐次審査」を開始した。逐次審査は当局がリアルタイムで治験データを評価できる仕組みで、進行中の治験や医薬品の製造工程について企業側との協議することで承認に要する時間を短縮できる。

英政府は11月21日、MHRAにワクチン承認の判断を下すよう求めた。

12月1日から国民医療サービス(NHS)の医療従事者、1月から80歳以上の高齢者から接種を開始する予定で、2021年4月末までに発症・重症化リスクの少ない若者を含め国民全員を対象にワクチンを接種する計画。ただし、Covid-19の予防接種は義務化されていないので、これから接種の必要性を国民にアピールしていく。

英国は4000万回分の供給を予約済みで、年末までに1000万回分を確保するとみられる。

欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は、欧州でも年内にワクチンを承認できるよう迅速に対応すると述べた。

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