トランプ米大統領は11月12日、中国軍によって所有または支配されていると米政権がみなす中国企業 ("Communist Chinese military company" )について、米国人による投資を禁止する大統領令に署名した。
中国軍の「発展と近代化」を支援し、米国の安全保障を「直接脅かしている」と政権がみなす中国企業31社が対象となる。
大統領令はまた、米国の投資家に対し、対象企業が発行する証券や対象企業に影響を受ける証券の保有ないし取引を禁じる。
年金基金を通じた保有や直接保有が禁じられる。投資家は2021年11月までに対象企業の証券を売却する必要がある。
大統領令は来年1月11日に発効する。
付記
国防総省は12月3日、半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)など4社を追加指定した。合計35社となった。
Semiconductor Manufacturing International Corp. 中芯国際集成電路製造(SMIC)
China National Offshore Oil Corp. 中国海洋石油集団
China Construction Technology Co. Ltd.
China International Engineering Consulting Corp.
付記
指定企業と上場子会社の株式購入や、それらを組み入れた上場投資信託などへの投資が順次禁じられる。
大統領令が公表された2020年11月時点で保有していた分は、2021年11月11日夜までに処分する必要がある。
ニューヨーク証券取引所は、中国電信(China Telecom)、中国移動(China Mobile)、中国聯通(China Unicom)の3社の上場を廃止する。(文末参照)
米通信当局はChina Mobileの米国事業参入を拒否、他の2社にも事業免許の取り消しを警告している。
FCCは2019年5月、China Mobile USAが2011年に届け出た米国における国際電話サービス提供の申請を全会一致の5対0でを却下した。
"Communist Chinese military company" は国防長官が指定する。
当初20社が指定されていたが、8月28日に11社を追加、現在31社となっている。
対象企業のリストには中国通信機器大手の華為技術(Huawei)や、監視カメラの製造および供給で世界大手の杭州海康威視数字技術(Hikvision)が含まれる。
このほか中国電信(China Telecomm)と中国移動通信(ChinaMobile)など、ニューヨーク証券取引所に上場している企業もリストに含まれている。
追加分には中国中化集団(Sinochem)も含まれている。
Aviation Industry Corporation of China
Chinese Aerospace Science and Industry Corp.
China Aerospace Sciences and Industry Corp.
China Electronics Technology Group Corp.
China South Industries Group Corp.
China Shipbuilding Industry Corp.
China State Shipbulding Corp.
China North Industries Group Corp.
Hangzhou Hikvision Digital Technology (Hikvision)
Huawei
Inspur Group
Aero Engine Corp. of China
China Railway Construction Corp.
CRRC Corp.
Panda Electronics Group
Dawning Information Industry Group (Sugon)
ChinaMobile Communications Group(China Mobile)
China General Nuclear Power Corp.
China National Nuclear Corp.
China Telecommunications Corp.(China Telecom)
China Communications Construction Company
China Academy of Launch Vehicle Technology
China Spacesat
China United Network Communications Group(China Unicom)
China Electronics Corporation
China National Chemical Engineering Group Co.
China National Chemical Corporation
Sinochem Group Co
China State Construction Group Co.
China Three Gorges Corp
China Nuclear Engineering & Construction Corp
ニューヨーク証券取引所は2020年12月31日、中国の通信大手3社の上場廃止手続きを始めると発表した。中国軍関連企業に対する米国からの投資を禁止する大統領令に署名したことを踏まえ、同証取は「上場に適さないとの結論に達した」と説明している。
上場廃止手続きの対象は、中国電信(China Telecom)、中国移動(China Mobile)、中国聯通(China Unicom) の3社で、2021年1月前半に取引を停止するとしている。
ニューヨーク証券取引所は2021年1月4日、これを撤回すると発表した。関係当局との追加協議を踏まえて撤回を決めたとしている。
しかし、1月6日に再度、今月11日から上場を廃止すると発表した。財務省からの追加の指示に基づくものだと説明している。
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