電気自動車のリコール 相次ぐ

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GMは11月14日、火災発生の恐れがあるとしてLG製バッテリーを装備した電気自動車をリコールすることにした。

リコール対象は2017~2019年に生産されたChevrolet Bolt の電気自動車のうち、LG Chemの梧倉(
Ochang)工場製のバッテリーが搭載された6万8600台。このうち米国で販売されたものは5万900台ほどとみられる。

これに先立ち米道路交通安全局(NHTSA)は先月この電気自動車の後部座席下部から駐車中に火災が発生した3件について調査に着手した。NHTSAはChevrolet Bolt EVの利用者に火災関連の問題が解決されるまで車を家から離れた屋外に駐車するよう勧告した。

GMはバッテリーが完全に充電された時に火災が発生する危険があると明らかにした。正確な火災発生原因が明らかになるまでBolt EVのバッテリー充電量を90%に制限する方針で、そのソフトウエアは各代理店でアップデートされる。


BMW、Ford、現代自動車の一部電気自動車モデルも火災の危険性のためリコールが実施された。それ以前にTeslaや中国の広州汽車でも問題が発生している。

FordとBMWがリコールする車に搭載されたバッテリーはSausung SDI 製である。

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問題の発端はHyundai MotorのEV「Kona Electric」で、2018年の発売以降、国内外で14件の火災事故が発生した。

2020年10月8日に韓国国土交通部が、火災事故原因について「電池セル製造過程で正極と負極の間にある分離膜が損傷したことによって、完全充電した際に正極と負極の端子が接触してショートを引き起こし、火災が発生する可能性があると認められた」と発表した。

Hyundaiは10月16日に対象車両の回収を開始、韓国国土交通部や米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)に同車のリコールを届け出た。
対象は、2017年9月~20年3月に生産した車両で、韓国販売分が2万5564台、海外販売分(北米、欧州、中国など)が約5万1000台である。

リコール対象車両はBattery Management Systemをアップデートするほか、電池そのものについても電池セル間の過度な電圧差や急激な温度変化といった異常の兆候があれば交換するという。

しかし、国土交通部の上記の発表を受け、LG Chemは「現代自動車と共同実施した再現実験では火災が発生しなかった。火災事故の原因は、電池セルの不良とはいえない。国土交通部は正確な原因が究明されていないのに発表した」と反論し、現代自動車と協力して徹底的に原因を究明するとしている。

Kona Electricの電池モジュールの電池セルはLG Chem製だが、電池パックにしているのHL Green Power(LG ChemとHyundai MobisのJV)、Battery Management Systemの開発はHyundai Keficoで、Hyundai Mobisがこれらを組み合わせた電池モジュールの形で納品している。実際に問題がどこにあるかは現在のところ明らかでない。

問題はLG Chemのバッテリーだけではない。

Samsung SDIのバッテリーでも、BMW、フォードの一部EVモデルが火災リスクを理由にリコールを実施した。

BMWは10月に火災危険性のためプラグインハイブリッド車 2万6700台に対する販売中断とリコールに入った。「バッテリー充電時に火災の危険があり、当分は充電をしないでほしい」と顧客に勧告した。

Ford は8月に Kuga PHEVをリコールした。報道では、FordがSamsung SDIに対し、バッテリーの欠陥に関連する損害賠償を要求する計画とされる。

米Teslaは2019年6月、パナソニック製バッテリーを搭載した「モデルS」「モデルX」について、バッテリーモジュールの異常が推定されるとしてリコールを決定した。

中国の寧徳時代新能源科技(CATL)製バッテリーが搭載された中国・広州汽車の「Aion S」でも 本年5月、8月に相次いで火災が発生し、調査が進んでいる。

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