三菱ケミカル、ENEOSと石化統合 ?　

ENEOSの歴史は次の通りで、

2010年7月　新日本石油がジャパンエナジー及び新日本石油精製を合併し、JX日鉱日石エネルギーに商号変更。
2016年1月　JX日鉱日石エネルギーがJXエネルギーに商号変更。
2017年4月　JXエネルギーと東燃ゼネラル石油が合併し、JXTGエネルギーに商号変更。
2020年6月　JXTGエネルギーがENEOSに商号変更。

ENEOSのエチレン、ポリオレフィン事業は次の通り。

旧JXエネルギー（旧日石化学）
東燃化学（東燃ゼネラル石油子会社の東燃化学は、そのままENEOS子会社として存続）
NUC（日本ユニカー）：米UCC と東燃ゼネラルのJVであったが、2013年に東燃ゼネラル100%に

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〔エチレン事業〕

両社のエチレン事業は次の通り。（能力：千トン　2019/12/末　定修スキップ能力）

三菱ケミカルは水島で旭化成との50/50JVを運営している。

			能力
三菱ケミカル		鹿島①	0	2014 停止
		鹿島②	564
三菱ケミカル旭化成エチレン		水島	567	旭化成との50/50JV　旭化成は2016に停止
ENEOS	東燃化学	川崎	540
	旧 日石化学	川崎	443

2015/5/29 水島地区エチレン設備運営会社　

三菱ケミカルとENEOSがJVをつくると、水島プラントは新JVと旭化成のJVとなる。

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〔ポリオレフィン事業〕

ポリオレフィンではポリエチレン、ポリプロピレン共に、複雑な歴史を持つ。

三菱化学は東燃化学とPE、PP事業を統合し、日本ポリケムをつくっていた。東燃化学のPPプラントはその後停止した。
東燃化学はPE事業で日本ユニカーを持っていたが、これは日本ポリケムから外した。

日石化学は昭和電工とPE事業を統合し、日本ポリオレフィンを持っていた。
日石化学と昭和電工はPP事業ではBasellと組んで、サンアロマーを設立していた。

2001年6月、日本ポリケムと日本ポリオレフィンはポリエチレン事業について、
日本ポリケムとチッソは、ポリプロピレン事業について、
それぞれ両社の事業を統合することにつき検討を開始することで合意したと発表した。 統合すれば、PEの生産能力は133万トン、PPは109万トンとなる。

今回、東燃化学と日本ユニカーを手中にした日石化学（ENEOS）と三菱化学がJVを設立する と、この案が実現することになる。

しかし、 公取委は日本ポリケム（三菱化学/東燃化学）と日本ポリオレフィン（昭和電工/新日本石油化学）が、東燃化学を通じて日本ユニカーとも企業結合関係が出来ると考え、その場合の販売シェアが約45％で第1位に、また、上位3社の累積シェアが約80％となるとして、これを問題視した。

三菱化学はPE、PP両統合会社に参加するが、PEで連携する昭電、新日石化学を通じてPPのサンアロマーと関係ができることとなるが、これについては（販売シェアからか）公取委は問題としていない。

最終的に、三菱化学が日本ポリケムの東燃化学持分を買い取り、100%子会社とすることで解決した。 日本ユニカーは完全分離される。

2006/10/2　 日本のポリオレフィン業界の変遷-3　　（ポスト産構法後期）

その後、サンアロマーからBasell が離脱した。

2016/8/26 LyondellBasell、サンアロマーから撤退

ExxonMobilが東燃ゼネラル石油（＆東燃化学）から撤退した。

2012/1/30　ExxonMobilが東燃ゼネラル石油から実質撤退

またDow（UCC）が日本ユニカー株を東燃化学に売却した。

2013/2/6 Dow、日本ユニカー持株を売却

2017年4月、JXエネルギーと東燃ゼネラル石油が合併

この結果、現状は下記の通りで、青い線で囲んだ会社が事業統合することになる。　

三菱ケミカルとENEOSがJVをつくると
①日本ユニカーが傘下に入る。
②日本ポリエチレンの株主の日本ポリオレフィンは新JVと昭電とのJVになる。

三菱ケミカルとENEOSがJVをつくると、
サンアロマーが新JVと昭和電工のJVとなる。他に日本ポリプロにJNCが入っている。

PE、PPの能力は下記の通り。（能力：千トン　2019/12/末）　赤字は新JV 非参加企業の工場