米下院、対中強硬法案を可決

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米下院は12月2日、米株式市場に上場する外国企業の会計監査状況について米当局の検査を義務づける法案(Holding Foreign Companies Accountable Act)を全会一致で可決した。

2019年に共和党のJohn Kennedy上院議員と民主党のChris Van Hollen上院議員が超党派で提出したもので、上院は2020年5月20日に満場一致で可決したが、下院で継続審議になっていた。

今後、トランプ大統領の署名によって成立する。すでに米証券取引委員会(SEC)はトランプ政権の要請を受けて、中国企業を念頭に置いたルール策定に着手している。

付記 大統領は12月18日にこれに署名、成立した。

今回の法案可決で中国勢の包囲網は一段と狭まった。

米国内で上場する外国企業に対し米企業と同じ規制に従うことを求めるもので、その企業の監査をする監査法人が① 外国にあり、②米国公開企業会計監視委員会(PCAOB)による検査を受けないものが対象となる。米国の監査法人が監査をする場合は対象外である。

その企業の監査法人が3年以上連続して米国公開企業会計監視委員会(PCAOB)による検査を受けないもの、および、外国政府の支配下にないことを示す書類を提出しない企業は上場廃止とする。

米国公開企業会計監視委員会(PCAOB:Public Company Accounting Oversight Board)は2002年にアメリカ合衆国の上場企業会計改革および投資家保護法(SOX法)に基づき設置された非営利法人で、企業の監査を監督することを通じ、投資家利益の保護及び監査報告書発行における公益性を高めることを目的とする。

中国政府はPCAOBによる自国監査法人の検査を認めておらず、米国上場の中国企業で中国の監査法人の監査を受けている場合が問題となる。

2020/5/21 米上院、中国企業の上場規制強化案を可決 


Alibaba Group やBaidu (百度)など巨大企業を含む中国勢が米株式市場から締め出される可能性がある。

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