中国、長江で10年間全面禁漁 

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中国政府は中国最長の河川、長江(揚子江:約6380 km)で10年間の全面禁漁措置を1月1日に開始した。禁漁の対象は長江主流のほか、主な支流や流域の湖にも及ぶ。
2020年1月1日から流域の332の保護区で禁漁としたが、今回、全面禁漁とする。

年末には取締り体制が整った。

当局者は長江の魚種が「枯渇に近付いているため」と説明した。2003年から禁漁時期を決めていたが、効果がないため、全面禁漁とする。

長江は淡水魚の一大産地として名をはせてきた。固有種も多く、地元の料理店などで人気だった。

中国政府の2013年の報告書では、長江上流で生息する魚種はかつての143から17に減ったとする。年間漁獲量が1954年の約43万トンから10万トン未満に落ち込んだ。

中国政府は漁獲減の背景として、流域生態系の破壊が進んだことを認め、生態系破壊の主な原因として、乱獲、工場や住宅の排水による水質汚染、ダム建設などを挙げる。
今回の禁漁は乱獲に対応した措置で、長江の魚の繁殖周期は3年前後とされ、
中国政府は禁漁期間の妥当性について「10年間に3回の周期を経れば資源は倍増する」と主張する。

専門家の間では、流域で多数建設されてきたダムが最大の原因との見方が有力で、禁漁の実効性に疑問も出ている
2009年に水力発電などを目的とする世界最大級の三峡ダムが完成した。現在も、長江上流で三峡ダムに次ぐ規模の大型ダムが建設されている。 ダム下流では、「ダム建設後、魚が取れなくなった」との声が強い。

失業する漁師は30万人規模に達する。
流域では禁漁措置の実施を控え、漁師約23万人が既に廃業し、漁船11万隻が廃船となった。中国政府は廃業者らに計約200億元(約3170億円)の補償金を支給し、転職を支援するとするが、簡単ではない。

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