英国のEU離脱でどう変わるか?

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2020年12月31日グリニッジ標準時間午後11時に英国とEUの新協定が発効し、英国がEUを正式に離脱した。

英国は2020年1月31日午後11時にEUを離脱し、同時に移行期間に入った。今回、移行期間が終了した。

BBCはどう変わるのか、主要ポイントの解説をしている。

1.貿易

2021年1月1日以降、英国とEUの間の取引で関税、関税割当はない。→ 懸念された値上げは回避
国境では安全チェックや税関申告等の新しいチェックがある。→ 手続き不備なら問題に
英国の動物の餌に新しい制限がつく。調理されていない肉は-18℃以下に凍らさないとEUに入れない。

2.サービス

金融、建築、会計等のサービス業では自動的にはEU市場で業務ができず、ある程度制限を受ける。
医師、シェフ、建築家など(英国で資格を持つ人は、EUで)自動的に資格を得ることはできない。

英国の事業者は(EU全体の規則ではなく)EUの各国でのそれぞれの規則に従う必要がある。
英国の資格でEUで仕事をするのは難しい。EU各国のルールを調べることが必要。
しかし、英国とEUは将来的にサービス分野でのアクセス改善の協議を行うこととしている。

3.旅行

英国民はEUに180日間のうちで90日以上留まる場合、ビザが必要
EUのペットのパスポートは無効になる。旅行に連れて行くのは可能だが、旅行ごとにペットの健康証明が必要
欧州健康保険カード(EHICカード)は期限が切れるまでは有効。今後、UKグローバル保険カードを導入するが、細目は未定
従来は、EU域内であれば、どの国に行ってもローミング料金を課されることなく、自国と同様の料金でスマホが使えるが、今後は追加料金が必要。
(但し、双方とも透明性のあるリーズナブルな料金にすることとしている。旅行前にスマホ会社にチェックが必要。)

4.漁業

今後4年半にわたり、英国は自国海域からの漁業シェアを順次増やす。英国の漁民に不満が強い。
2026年からは英国はEU漁船を禁止できるが、その場合、EUは英国からの輸入魚に関税を課すことができる。2026年から双方は定期的に協議する。

5.司法その他

英国は欧州司法裁判所に関与しない。これにより英国は自国の法の支配を取り戻す。
但し、北アイルランドでは、特定のEUの貿易ルールに引き続き従うため、欧州司法裁は一定の役割を引き続き持つ。
英国とEUの間で解決できない紛争は独立した仲裁裁判所に廻る。
一方の側が現在の製品基準のルールを大幅に変更する場合、特定製品に関税を課すことができる。

6.治安

英国は今後、治安に関するデータベースに自動的にはアクセスできないが、要求すればアクセスできる。
英国は今後、EUの法執行機関のEuropolのメンバーではなくなるが、本部に席は持つ。
英国のEuropolとの関係は、現在の米国のEuropolとの関係と同じになる。
英国はEUのデータ保護基準に従う必要はないが、英国がデータ保護のルールを変えない限り、少なくとも4カ月は今まで同様にデータを交換する。

7.教育

英国は、EUが他国の学生を支援するErasmus 交換計画に参加しない。既にEUでのコースで学んでいる学生は引き続き、EUの支援を受ける。
北アイルランドの大学の学生は、アイルランド政府のアレンジのもと、Erasmus 交換計画に参加できる。
英国はErasmus 交換計画と似たAlan Turing計画を2021年9月に開始するが、これはEUだけでなく、世界中の国の学生を対象とする。

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日英経済連携協定(EPA)が1月1日、発効した。

2020/12/8 日英EPA、2021年1月1日発効へ

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