米国上院議員選出の決選投票

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ジョージア州の上院議員2名の決選投票(run-off )が1月5日に行われる。

米ジョージア州は12月31日、有権者280万人超が郵便投票を含む期日前投票を済ませたことを明らかにした。投票者数は過去最多となる見通し。僅差での決着となる見通しで、結果判明まで数日あるいは数週間かかる可能性がある。

ジョージア州の規定では得票率の差が0.5ポイント以下だった場合、候補者が再集計を申し立てることが可能。


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11月3日の選挙の結果、上院は次の通りとなった。

  共和党 民主党 民主系
無所属
未定
(決戦)
合計
改選前 53 45 2   100
非改選 30 33 2   65
改選 補選 21+2 12 0   35
結果 補選   1   1 2
改選 20 12   1 33
改選後 50 46 2 2 100

この選挙で、ジョージア州の退任上院議員の後任を決める特別選挙と任期到来による通常選挙とも、いずれの候補者も50%以上を確保できなかったため、当選者が決まっておらず、今回、決選投票となる。

仮に2議席を民主党が取ると、50対50となる。法案の議決が50対50となった場合は、上院議長を兼ねる副大統領が1票を投じるが、民主党のKamala Harrisが副大統領になるため、民主党が上院、下院をともに抑えることになる。

逆に1人でも共和党が選ばれると、上院は共和党支配となり、バイデン政権の運営は難しくなる。

このため、両党とも必死である。

大統領選挙と同様、これまで投票していなかった層が多数、郵便投票で期日前投票したことが影響を与える。

また、共和党が上院で、新型コロナウイルス追加景気対策予算案での一人当たり支給額を600ドルから2000ドルに引き上げる大統領主張に反し、これを通さなかったこと(民主党主導の下院は法案を可決した)が結果に影響すると思われる。

トランプ大統領は、一旦署名を拒否した追加景気対策予算法案にサインしたが、今回の決選に出る共和党David Perdue候補が大統領に法案に署名するよう働き掛けたことが明らかにされた。経済対策法の成立が遅れれば、決選投票で自身とKelly Loeffler候補に逆風になると懸念した。

共和党の2候補は、上院での2000ドルに引き上げる法案に賛成を表明していた。

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特別選挙は2019年12月31日に辞任した共和党Johnny Isakson議員の後任で、一時的に州知事が共和党のKelly Loefflerを指名していたが、正式に選任するものである。
任期はIsakson議員の残り任期の2023年1月3日までである。(2022年11月選挙)

11月3日の投票結果は下記の通りで、共和党の票が割れ、臨時議員のKelly Loefflerは2位、民主党1位も32.9%にとどまった。

候補者得票数得票率
Raphael Warnock(D)
1,617,035 32.9%
Kelly Loeffler(R)
1,273,214 25.91%
Doug Collins(R)
980,454 19.95%
Deborah Jackson(D)
324,118 6.6%
Matt Lieberman(D)
136,021 2.77%

通常選挙の結果は下記の通りで、再選を狙う共和党のDavid Perdue候補は49.73%で、わずかに50%を下回った。

候補者 得票数得票率
David Perdue(R)
2,462,617 49.73%
Jon Ossoff(D)
2,374,519 47.95%
Shane Hazel(LIB)
115,039 2.32%

今回の決選投票では、それぞれの上位2名が対決する。

なお、共和党のDavid Perdue議員は12月31日、新型コロナウイルスの陽性者(選挙関連者)への濃厚接触が分かり、自主隔離した。夫婦ともに陰性ではある。

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