サウジアラビアは同じアラブの隣国カタールと、2017年6月の断交とともに導入した陸、海、空路の閉鎖を解除した。
仲介役のクウェートが1月4日、カタールとサウジが封鎖していた陸海空の国境を再び開放することで合意したと明らかにした。
トランプ米政権も仲介に当たっていた。イランに対する包囲網を強化する狙いがあるとみられる。
ペルシャ湾岸のアラブ諸国でつくる湾岸協力会議(GCC)が1月5日に開く首脳会議にカタールのタミム首長が参加する。
サウジのムハンマド皇太子は、首脳会議がGCC諸国を「結束させる」と強調した。
封鎖解除を受け、サウジなどとカタールの国交回復への動きが一気に加速するとみられる。
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2017年6月5日、サウジアラビアを中心としたペルシャ湾岸諸国(サウジアラビア 、UAE、バーレーン)とアフリカ大陸にあるイスラム国家の一部(エジプト、イエメン、モルディブ)は、Qatarに対して国交断絶を表明した。
断交理由には、サウジアラビアと対立するイランへの過度な接近やムスリム同胞団への支援を挙げている。
ムスリム同胞団については、エジプトが2013年に、サウジアラビアが2014年にテロ組織に指定している。
Qatar外相は「事実無根。決して降伏しない」と表明し、対抗姿勢を打ち出した。
その後、サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトの4カ国は、Qatarに対し13項目にわたる要求を送付した。
要求の中には、アルジャジーラの閉鎖、カタール国内に存在するトルコ軍基地の停止、イランとの外交関係の縮小、過激派組織との関係断絶など があると報じられた。
Qatarはこれらの要求を拒否したうえで、各種の対抗措置をとった。
経済制裁が違法だとしてWTOに提訴するとともに、禁輸となった物資の輸入先をオマーンやインド、イラン、トルコへ切り替え。
LNGの年間生産量を従来の7700万トンから1億トンへ増やす計画を発表 。
欧米から戦闘機やコルベットを購入するとともに、トルコ軍と合同軍事演習を実施。
2018年4月、サウジアラビアがQatarとの国境線沿いに運河を建設する構想が報道された。 報道では、サウジアラビアは全長60キロに及ぶ国境沿いに軍事基地と核廃棄物処理場と幅約200メートルの運河を建設し、Qatarを物理的にも孤立させるという。
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