1月6日午後8時、中断されていた上下両院それぞれでのアリゾナ州の選挙結果への異議について討論が再開された。
議事堂に侵入したトランプ支持者が共和党議員に選挙結果への反対に加わるよう圧力をかけようとしたのであれば、全くの逆効果となった。
最初に異議がでたアリゾナ州についての上院での討論で、当初異議に賛成するとしていた多くの共和党議員が、暴力に嫌悪感を示し、最早賛成しないと述べた。
上院では6対93の圧倒的大差で選挙結果を受け入れた。
下院ではアリゾナ選出の共和党議員が選挙結果を受け入れるよう同僚に求めた。下院は121対303で選挙結果を受け入れた。
反対を認めるかどうかは単純過半数で決める。反対を認める場合は両院の一致が必要。
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下院司法委員会の18人の民主党議員がペンス副大統領に書簡を送り、憲法修正25条でトランプ大統領を排除することを求めた。大統領が議事堂での暴力を引き起こしたとしている。
憲法修正25条
第4節 副大統領および行政各部の長官の過半数または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないという文書による申し立てを送付する時には、副大統領は直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行するものとする。
Washington DCの警察当局は、4名の死亡を発表した。女性1名(サンディエゴ在住の元米空軍の退役軍人で、 大統領の熱狂的支持者)が警察に撃たれて死亡したが、他に女性1名、男性2名が死亡した。詳細は明らかにせず。
暴動と外出禁止令違反で52名が逮捕された。うち26名が議事堂構内で逮捕された。
警官14名が負傷した。 その後、警官1名が死亡、死亡者は計5名となった。
メラニア米大統領夫人の首席補佐官で大統領報道官も務めたStephanie Grishamが辞任を表明した。議会乱入事件に反発したとみられる。
Robert O'Brien大統領補佐官(国家安全保障担当)も辞任を検討している。Elaine Lan Chao 運輸長官も辞任の検討に入った。
Matt Pottinger大統領副補佐官(国家安全保障担当)は辞任した。
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この後、上下両院合同会議が再開された。アルファベット順に進んだ。
Arizona、Arkansas、California、・・・・・ Florida、Georgia、・・・・・ Pennsylvania、
ジョージア州について、下院共和党が反対を表明したが、上院共和党が今回の事件を受け、反対を引き下げたため、討論・投票がなくなった。
正式の反対は書面によるが、下院議員と上院議員のサインが必要である。
ミシガン州では下院議員が反対を書面で出したが、上院議員のサインがなく、ペンス副大統領に却下された。
ネバダ州では、下院議員が反対を表明したが、上院議員がこれに加わらず、ペンス副大統領が書面による反対でないとして却下した。
ペンシルべニア州については、上院議員1名、下院議員80名が書面にサインして提出し、異議が受け入れられた。
合同会議はここでいったん中断し、上下両院それぞれが異議について討論に入った。
上院では議論を行なわず、直ちに投票に入り、92 対 7 で否決された。(1月7日午前1時)
反対を認める場合は両院の一致が必要なため、これで決着がついたが、下院は2時間の制限一杯議論し、投票に入った。
1月7日午前3時過ぎ、下院も 282-138で否決した。
この時点で共和党Jake LaTurner下院議員がCovid-19の陽性と分かったと発表した。4時間前のアリゾナ州の投票には加わっていた。今後は出席しない。
議員はまた、合同会議に戻った。残り12州。
1月7日午前3時半過ぎ、 7州目のバーモント州で反対がなく、これでこれまでのバイデン候補の獲得選挙人数が過半数の270を超え、バイデン候補の勝利が確定した。
ペンス副大統領は、異議のないまま、次々と進めた。最後の州のワイオミングで下院議員が異議を表明したが、これに加わる筈の上院議員が取り止めた。ペンス副大統領が「異議は却下」と述べ、終了した。
ペンス副大統領は、選挙人538のうち、バイデン氏が306、トランプ大統領が232との結果を読み上げた。
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こんな暴動をあおったトランプ大統領に、まだ忠誠を誓い、正当な選挙の結果を否定する共和党議員(特に下院)がこんなに多いのは驚きである。
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